インド太平洋戦略報告書というアメリカの国務省が発表した文書によると、台湾を国家として認めました。

 私や仲間たちも「台湾の独立を」ではなく「独立台湾を支援」という考え方でいろんなイベントや台湾でのシンポジウムを開催しています。

 CHINAが「一つの中国」という間違った概念を米国およびいろんな国に押し付けてきましたが、やっと米国で台湾は国家という公文書が発表されたのはとてもいいことです。

 台湾は有史以来CHINAの支配を受けたことはなく、近年はオランダや日本がその統治を引き受け、特に日本の併合によって、台湾の近代化と国家としての品格がもたらされました。

 このことに反論を試みる人は李登輝閣下の著書を一冊でも読めば、至る所に明記されており、近代台湾の発展には日本の力が欠かせないものだったことがわかります。

 また台湾を旅行したらよくわかります。団体旅行でバスでの移動ではなかなかわかりづらいものがあるかもしれませんが、個人でバスやBRTなどを乗り継いでの観光旅行をしたら台湾の人たちがいかに日本人に対して好意的で親切かがわかります。

 アメリカもニクソンの電撃訪中の結果、中華人民共和国との国交を樹立するために、台湾との断交をしました。それに日本も追従するという蛮行をしたのです。とんでもないミスをしています。

 最近の台湾はCHINAの圧力により、正式な国交を結んでいる国が徐々に減っており、正式な国交を持つ国の数は北朝鮮よりも少なくなっています。

 日本も正式な国交は持っていませんが、台湾が大好きな日本人はCHINAや韓国が好きな日本人よりも圧倒的に多く、今は日本人の海外旅行先NO1となっています。

 東南アジアの地図をぜひ見てほしいのですが、中東から石油や天然ガスを運んでくるタンカーが毎日マレーシアとインドネシアの国境沿いのホルムズ海峡を通行しています。そしてそのタンカーたちは南シナ海を通って台湾海峡を通過するのです。

 もし、ここがCHINAの手に落ちたら、日本のタンカーはこの海域を安全には通行できません。いつ何時臨検と称してCHINAの公船がいちゃもんをつけてくるかもしれないのです。

 もし、この台湾海峡を封鎖されたら一発で日本経済は干上がります。

 石油や天然ガスのいらない頼みの原子力発電所が現在稼働しているのはたったの9基(うち2基は定期検査中で非稼働)しかありません。もし今ある原子力がすべて稼働していたら普段使いの電力はそこで十分に賄えるのですが、現状ではこれから暑い夏に向かい、どんどん電力需要が高まっていきます。

 ある反原発の人が次のように語っていました。

 「電力をあまり使わないように、日が上ったら起き、日が沈んだら寝るという生活をしています。暑い時は窓を開け、外の風を取り込めば電気もあまり使わないで済みます。こうやって節電しましょう。」

 一軒の家の使用電力くらいならちゃんと天気だったら、太陽光発電で賄えます。

 でも、日本の膨大な産業を支えるエネルギーは家庭でちまちまと節電してもまったく支えられませんし、新宿駅を高いところから見れば一目瞭然です。複数の電車が大勢の人を乗せて何本も一度に走っています。どれだけの電力が必要なのか想像もつかないでしょう。

 高層ビルの空調も、照明もすべて電気です。もちろんパソコンやルーターも電気で動いています。

 それを支えているのが東電の場合、火力発電がメインです。

続く。

https://vpoint.jp/column/138147.html
ビューポイント 井上 政典  2019/6/11(火)