【ソウル時事】スウェーデンのストックホルムを訪れた韓国の文在寅大統領は14日、議会で演説し、「北朝鮮は、完全な核廃棄や平和体制構築の意志を国際社会に実質的に示さなければならない」と呼び掛けた。また、「国際社会の信頼を得るまで、2国間、多国間を問わず、対話を続けるべきだ」と訴えた。大統領府が演説内容を公表した。
 2月末の2回目の米朝首脳会談決裂を受け、北朝鮮は「一方的な核放棄を求めている」とトランプ政権を再三、非難し、ミサイル発射などで米韓に揺さぶりを掛けている。こうした中、文氏は北朝鮮に対し、「完全な非核化」実現に向けた意志表明と対話路線の堅持を求めた形だ。
 文氏は演説で、金正恩朝鮮労働党委員長との3回の首脳会談を経て、南北を隔てる軍事境界線付近での敵対行為が中止されるなど、平和構築に向けた進展があったことを強調した。一方で、「(朝鮮半島での)偶発的な衝突や核武装に対する世界の人々の懸念はまだあり、国際社会の制裁解除には、こうした懸念の払拭(ふっしょく)が必要だ」と指摘した。
 その上で「国際社会は北朝鮮が本当に努力するなら、直ちにそれに対応するだろう。制裁解除はもちろん、北朝鮮の安全も国際的に保障されるだろう」と述べた。

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時事ドットコム 2019年06月14日19時26分