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乗組員4人の小型北朝鮮漁船1隻が15日、東海(日本海)の北方限界線(NLL)から130キロ以上南の江原道三陟市沖合まで侵入し、韓国の漁業関係者によって発見された。この漁船は発見されるまで韓国海軍などによる三重の監視網に全く捕捉されなかった。予備役将校などからは「9・19南北軍事合意により、結果的に韓国軍による海上での警備体制に穴があいた」などの指摘が相次いでいる。

 ある韓国政府筋が16日に明らかにしたところによると、4人の乗組員が乗ったこの北朝鮮漁船は15日午前6時50分ごろ、江原道三陟市の三陟港沖合で操業中だった韓国漁船によって発見され、当局に通報された。この北朝鮮漁船は操業中にエンジンが故障し、NLLを越えて南側にまで漂流したという。韓国軍と海洋警察、国家情報院などで構成された合同調査チームは三陟港にえい航された漁船を調査し、乗組員から漂流の経緯などについて事情を聴いている。

 漁船が発見された位置は東海上のNLLから最短距離で130キロ離れた海上だという。問題はこの漁船が韓国の漁業関係者によって発見されるまで、韓国海軍や海洋警察の警戒監視網、さらに陸軍の海岸監視網などに捕捉されなかった点だ。

 NLL警戒の第1次的な責任は海軍にある。海洋警察はNLLより南側で韓国漁船など民間の船舶が北朝鮮に向かわないよう監視する役割を担当する。海洋警察と海軍はレーダーで船舶を探知した場合、船舶自動識別装置(AIS)によって韓国の民間の船か、あるいは北朝鮮漁船を含む未確認船舶かを直ちに識別できる。海岸から数十キロ以内であれば陸軍の海岸監視レーダーによっても監視されている。北朝鮮漁船が韓国の東海岸近くまで海岸線に沿って南下したとすれば、これは上記の3段階の監視網が全て機能しなかったことを意味する。

1998年6−7月にも北朝鮮のユーゴ級潜水艇と工作員の遺体が江原道束草市と東海市沖合で韓国の漁業関係者によって発見されたが、このときも「警戒態勢に穴があいた」などの批判が強まった。しかし当時は探知が困難な海中からの侵入で、発見された位置も三陟より北側だった。

 韓国軍合同参謀本部や海軍など韓国軍当局は今回の問題について「関係当局が調査を行っているので、現時点では何も言えない」としかコメントしていない。非公式には「伝馬船(木造の船舶)のような小型船舶はレーダーによる探知が難しい」と考えているようだ。

 かつて合同参謀本部次長を務め、現在は予備役中将のシン・ウォンシク氏は「南北軍事合意によって北朝鮮に対する警戒感が薄れ、警戒作戦に空白が生じていると懸念せざるを得ない」と指摘した。昨年9月に平壌で行われた南北首脳会談の際に締結された9・19南北軍事合意によると、韓国の束草から北朝鮮の通川までのおよそ80キロが緩衝海域とされ、この海域では砲兵による艦砲射撃や海上での機動訓練が禁じられた。これについて韓国軍は「海上での哨戒作戦などに影響はない」と説明していた。

 韓国軍が北朝鮮漁船の救助状況を直ちに公表しないことも一部で問題視されている。今回の韓国軍の対応は、今月11日に束草の北東161キロ沖合で漂流していた北朝鮮漁船を救助したときとあまりにも対照的だからだ。当時、合同参謀本部は北朝鮮漁船が発見されてからおよそ6時間後、長文のメールや独自に撮影した写真などをメディアで公表するなど、救助作戦の状況について大々的に伝えた。韓国国防部(省に相当)のある官僚OBは「救助された乗組員の一部が帰順の意志を伝え、このため韓国政府が対応に苦慮している可能性もある」との見方を示した。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/06/17/2019061780023.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/06/17 10:30

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