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 ◆外国ではどのように行っているか 

  3年前、韓国EBS(韓国教育放送公社)が作った映像「生存水泳をご存知ですか?」は「オランダ・ドイツ・フランス・日本など多くの国々の子どもたちは普段着ている服と靴を履いて水泳を学ぶ」と説明する。この映像はYouTube(ユーチューブ)でも閲覧できる。ユ・ドンギュン教授は「日本では生存水泳という用語の代わりに着衣泳(普段着を着たまま泳ぐ)という単語を使う。突然の災難・災害状況に備えるためだ。遭難時に靴と衣服は浮力を得る道具として使うことができる」と説明した。 

  最近、韓国でも生存水泳授業の時に服を着た状態で水に入るようにする場合が増えている。ところが学校では普段着ではなく撥水力に優れた「ラッシュガード」を準備するように指導する。 

  授業時間にも大きな違いがある。英国・ドイツ・日本などでは小学校の時に2年以上毎週または隔週で水泳教育を受けている。韓国では小学校3・4年生の時に年に10時間(そのうち4時間は生存水泳)が教育過程で決まった授業時間だ。ソウル市教育庁の担当奨学士(教育専門公務員)は「韓国の水泳教育がまともに行われているとは言い難い。水泳施設や予算不足などの環境が整っていないため仕方ない面がある」と説明した。趙慶泰(チョ・ギョンテ)議員(自由韓国党)は昨年の国政監査の時に「我が国の小学校プール普及率は1%台だが、日本は90%を超える。国民に生存水泳を学ばせるためにはまずプールを増やさなければならない」と主張した。 

  社会的問題が発生する→他の国ではどのようにするのか調べてみる→同じような制度を作る→準備もせずに施行してみたところ表面は似ているが中身が違う→「まねだけしている」という批判が提起されれば「環境のせい」にする→国民は「ないよりはましではないか」と言い訳をする。おなじみのパターンではないか。 

  セウォル号惨事の後、水難で人命が犠牲になれば全国が「パニック」状態になる。外交部長官が外国の現場に飛んで行って、大統領が救助隊の急派を指示する。ところがもともと私たちがやろうと誓った「安全を守る」ことは十分に行われていない。韓国の悲しい現実だ。 

終わり〆