【ソウル=豊浦潤一】韓国東海岸の江原道カンウォンド三陟サムチョク港で15日朝、北朝鮮の民間人4人を乗せた漁船(長さ10メートル、幅2・5メートル)が到着し、うち2人が亡命を求めた。北朝鮮船舶を監視する韓国軍や海洋警察は漁船の入港に気づかず、「軍と警察の監視網、無用の長物」(朝鮮日報)と批判を浴びている。

 韓国軍は17日にこの事件を発表する際、漁船が入港するまで気づかなかった事実を公表せず、沖合で発見したかのように記者団に説明していた。実際は、散歩中の住民が防波堤に停泊する漁船と4人を発見した。そのうち1人が「北朝鮮から来た。ソウルに住む叔母に連絡するので携帯電話を貸してほしい」と話したため、警察に通報して発覚したことが住民の証言で明らかになった。韓国国防省が「歪曲わいきょくして発表した」(文化日報)と指摘されている。

 4人のうち2人は、北朝鮮に戻ることを希望したため送還された。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20190620-OYT1T50138/
讀賣新聞 2019年6月20日(木)