■日本の緻密な攻勢
■韓国半導体業界「日本政府・専門家、化学物質数百種を少なくとも6カ月検討した模様」

日本政府が半導体材料の韓国向け輸出規制を強化するというニュースが先月30日に報じられると、韓国の半導体・ディスプレイ業界では「やはり日本は怖い」という言葉が飛び交った。規制という事実よりも、対象とされた材料3種があまりにも手痛かったからだ。

日本への依存度が高いだけでなく、すぐに台湾や中国、韓国企業などに輸入先・仕入れ先を変更しにくい材料で、しかも、国産化も最も難しい。

例えば、半導体回路を描画する材料であるレジスト(感光剤)は日本の住友と信越が世界市場を掌握している。

韓国でも錦湖石油化学、東進セミケム、トンウ・ファインケムなどのメーカーがある。問題は、国産レジストは品質水準が低く、10ナノ級以下の超微細工程では描画できないことだ。

半導体業界では「日本と同水準のレジストを作るには、韓国企業は『ゼロ』から研究開発(R&D)をあらためて始めなければならない」と語った。

「日本政府は数百種の半導体・ディスプレイ材料をすべて検討し、慎重に3種を選び出した」というのが、韓国半導体業界関係者の見方だ。少なくとも6カ月以上は政府と専門家集団が韓国の半導体の脆弱(ぜいじゃく)性を検討して準備を勧めてきたと思われる。

例えば、フッ化水素(エッチングガス)は吸入しただけでも神経組織に損傷を来す猛毒物質で、保管・管理が難しいため、1カ月分以上の在庫を抱えるのは事実上不可能だ。

サムスン電子やSKハイニックスが一度に数カ月分在庫を抱えられない、日本の今回の「90日間輸出許可規制」を避けられない材料だ。

日本政府が韓国を「ホワイト国」(輸出規制緩和国)から排除するのも、今年初めから検討していた事案だ。

日本は安保上、信頼関係にある27カ国をホワイト国に指定し、戦略物資の輸出手続きを簡素化しているが、来月から韓国を中国と同じ「非ホワイト国」に変更する。

今年初め、この案を日本政府に提案したのが自民党内の国防部会と外交部会だ。

同党の青山繁晴議員は今年2月初め、「(韓国をホワイト国リストから外すと、韓国の生)産品は日本の優秀な部品を当て込んで作っているので、大きな影響がある」「(外務省・防衛省の中でこの案を)検討しているそうだ」と語っていた。

長い間準備をしてきただけに、経済報復第2弾・第3弾が相次ぐ恐れもある。

日本関連業務を担当するある法律事務所の関係者は「また別の報復カードでは、半導体と関連のある別の中核材料の輸出規制や、現代自動車の日本製部品の輸出規制、韓国輸入品に対する関税賦課などがすべて検討対象だと聞いている。

日本の経済・産業界では、『安倍政権は100種類の経済報復シナリオを綿密に検討した』という話が飛び交っている」と言った。

だが、日本の経済産業省の関係者は「今回の措置を準備した期間と経緯」を問う本紙の電話取材に、「内部の進行状況を公表することはできない」と答えた。


2019/07/03 10:50
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