世耕大臣ツイート:件数ではない

韓国産業通商資源省が「摘発件数が多いという理由で輸出管理制度の実効性を疑うことは、摘発件数が多い米国の輸出管理制度を信頼できないと主張することと大差ない」と反論とのことだが、日本政府は摘発の多寡で輸出管理の是非を論じたことはないので、念のため。(続く)

続き@
摘発件数と輸出管理の信頼性を関連させて論じているのは、この朝日やFNN、産経、NHKなどメディアです。
しかも今回報道されている内容は、本年5月に韓国の保守系野党議員が産業資源部から提出を受けた資料の中で明らかにされた内容。韓国内では5月17日に朝鮮日報が報道済み。

続きA
違法輸出摘発はあくまで輸出管理制度運用の一部。摘発件数だけで輸出管理制度全体の実効性が示されるわけではない。米国の摘発が多いことと韓国の摘発が多いという数字だけをもって、同列に論じることは無意味。
制度、事前審査、通関手続、事後検査の全体フローを評価することが重要。(続く)

続きB
全体フローをもう少し具体的にいうと、
@制度的措置(規制の網+罰則・行政制裁)、A企業の自主管理体制構築、B輸出審査体制、C水際(税関)での無許可輸出の未然防止、D事後検査・摘発 となる。
これらを包括的に取り組んでいることが信頼できる輸出管理制度運用の前提。(続く)

続きC
なので、一番最後の「摘発」の件数だけで輸出管理制度の是非を論じることに意味はなく、多数の貿易管理の専門家を抱える経産省がそのような議論を行うわけがありません。
韓国通商産業資源省幹部は一体誰に反論しているのでしょう?(続く)

続きD
一連の摘発関連報道で一番驚愕したのはFNNの「昨年5月ウラン濃縮などに使える韓国産の遠心分離機がロシア、インドネシアなどに違法輸出された」との報道。
原子力用遠心分離機は、通常、政府間保障を要するような非常に重要な製品であり、不法輸出が事実であれば、極めて重大な問題。(以上)