ソーシャル・メディア上で英国人男性を装い、韓国人女性に好感を持っていると言って接近、金銭を奪った30代の男に実刑が言い渡された。自称「英国人男性」の正体は、アフリカ・モザンビークの難民だった。

 ソウル東部地裁刑事第2単独(イ・ヒョンジュ判事)は、スマートフォンのチャットアプリで英国人を装い女性2人に声をかけて歓心を買った後、1392万ウォン(約130万円)を奪ったとして、詐欺・電子金融取引法違反で起訴されたモザンビーク難民の男A被告(30)に懲役1年を言い渡したことを18日、明らかにした。

 同地裁によると、モザンビークの出身のA被告は昨年7月、「難民申請者臨時滞在資格」を得て入国した。京畿道平沢市内の宅配会社に就職したA被告は、職場の寮で知り合った外国人の同僚2人と親しくなった。A被告らはインターネット上で恋心を利用して金を奪う「ロマンス詐欺」をすることを決めた。

 今年3月28日、スマートフォンのチャットアプリを転々としていたA被告らに、最初の被害女性となるBさんが引っかかった。A被告は「私は英国に住んでいる男性だ」と自己紹介して接近した。そして、関係が進展すると共に「あなたと韓国で暮らしたい」言い、さらに「あなたへのプレゼントを韓国に送りたい。通関料を先に支払ってくれれば、韓国に行った時に返す」と金銭を要求した。Bさんは4月11日と12日の二日間にわたって1163万ウォン(約109万円)を送金した。A被告らは3月31日にも別の被害者女性Cさんに対して同じ方法で接近した。Cさんも4月11日に通関料名目で229万ウォン(約21万円)を送金した。

 警察がA被告を検挙した時、同僚2人は海外に出た後だった。検挙されたA被告は「経済状況が良くない母国を出て、暮らしやすく難民申請が可能な韓国に来た」と話している。

 警察によると、最近インターネット上ではこのような詐欺がたびたび発生しているという。ソーシャル・メディアで複数の女性に無作為でメッセージを送信し、「シリアで褒賞金をもらった退役米軍兵士」「大金を相続した米国の外交官」と詐称、これに引っかかった女性たちに運賃・通関料名目で大金を要求するという手口だ。ソウル地方警察庁外事課国際犯罪捜査2隊のシン・ヒョンス・チーム長は「ロマンス詐欺のこれまでの被害者の中には、心理的に孤独な中高年層が多かった」と話している。

アン・ヨン記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/07/19/2019071980021.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/07/19 10:40