日本統治時代に広島や長崎で被爆した韓国人でつくる韓国原爆被害者協会が、毎年8月にソウルで開いてきた追悼式典に今年は日本大使館員を招かないことがわかった。日韓関係の悪化の影響という。

 式典には少なくとも10年以上にわたり日本大使館員が参列し、大使名の追悼の辞を代読してきた。広島で被爆した鄭貞雄・同協会ソウル支部長によると、今年も日本大使館員の参列を前提に準備してきたが、7月に日本政府による対韓輸出規制で日韓関係が急速に悪化し「見送らざるを得ないと判断した」という。日本大使館側も、招待がなかったことから出席しない。

 追悼式典は、被爆者やその家族ら約200人が出席。昨年は日本大使館からは参事官ら3人が出席し、長嶺安政・駐韓大使の追悼の辞を代読、「世界に再び原爆による被害者が出るような不幸が繰り返されることがないよう、平和の誓いを新たにします」と述べた。協会によると、韓国在住の被爆者は約2300人で、うち約500人がソウルで暮らす。(ソウル=武田肇)

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朝日新聞デジタル 2019年8月6日00時00分