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性暴力の苦しみは、その行為だけで終わりません。家族に言えない、警察に相談しても相手にしてくれない、司法も認めてくれない――。幾重ものカーテンで閉ざされたように、暗闇と絶望が包みます。苦しませるのは加害者だけでしょうか。

 いま、「フラワーデモ」と呼ばれる動きが各地で広がっています。

 勇気を持って語り始めた人たちの声に耳を澄ませ、「性暴力の本質」を一緒に考えませんか。

 「私は、母の知人から性暴力をうけました。男は不起訴になりました」(10代女性)

 「私は、上司からの性暴力被害にあいました。新婚1年目のことでした」(30代女性)

 街頭でマイクを握り、時に涙を流し、時に憤りを抑えながら、性暴力への抗議と、性犯罪の実態に即した刑法改正を求める「フラワーデモ」。話したい人だけがマイクを握り、性被害や日常の性差別を参加者と共有する、歩かないデモだ。花は、被害者に寄り添う心のシンボル。そうした場が今、予想を超えて広がっている。

 今年3月、4件の性犯罪の無罪判決が報道された。静岡地裁では、12歳だった娘への強姦(ごうかん)罪に問われた男が無罪になった。家族が気づかなかったことが「あまりに不自然」とされた。名古屋地裁岡崎支部では、19歳だった娘への準強制性交等罪に問われた男が無罪に。中学生の時から性的虐待をしていたが、娘の抵抗が「著しく困難」とまでは言えないとされた。

 判決への批判の声に、一部弁護士らが「感情的」などと発信した。

怖いと思う気持ちさえ口にできなくなるのでは……。作家の北原みのりさん(48)がツイッターで呼びかけると、4月11日夜、会場の東京駅前に400人以上が集まった。

 事前に声をかけた友人らが語り…

(中塚久美子)

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https://www.asahi.com/articles/ASM7R2HCCM7RUHVA001.html
朝日新聞デジタル 2019年8月4日21時00分

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