■ 5.韓国から北朝鮮に重要な兵器が流れている可能性に備えよ

 今回の北朝鮮によるミサイル発射は、単に、短距離弾道ミサイルを発射したことではない。米国製のミサイルが北朝鮮に流れている可能性があることを考えなければならない。

 それが真実であれば、米韓の軍事関係には、大きな楔が打たれたことになる。そして、在韓米軍の撤退の可能性も出てくる。

 この情報は極めて重要な要素を含んでいる。どちらが正しいのか、米韓日の情報機関が総力を挙げて解明する必要がある。

 もう一つ、韓国から北朝鮮へ最新の軍事兵器やその技術が漏れることを憂慮しなければならない。

 米国のドナルド・トランプ大統領は、「短距離ミサイルであれば問題ない」と今回のミサイル発射についても静観する見通しだが、ATACMSに酷似のミサイル発射の写真を見れば、「問題ない」とは言ってはいられない。韓国への説明を求めるべきだろう。

 ロシアや中国は、米空軍のステルス戦闘機の技術を入手したがっている。もし、韓国からF-35ステルス戦闘機の技術が漏れることになれば、ATACMSどころではない。

 韓国から絶対に技術情報が漏れていないと確信できるまでは、韓国に兵器技術、F-35などの最新兵器を渡してはならない。

 どちらにしても、F-35を供与するのは、文在寅政権が代わってからすべきであろう。

 日韓のGSOMIAについて、廃棄されることなくそのまま継続していても、重要な情報交換は控えるべきである。

西村 金一