(台北 30日 中央社)国防部(国防省)は30日、中国の軍事力に関する2019年の報告書を発表した。報告書によると、中国は2020年に、核大国の抑え込みや核戦争の封じ込め、領土防衛の力を備えた戦略的核戦力の確立を目指しているという。さらに、中国は2020年までに台湾に対する全面的な武力作戦の準備を整える計画だと指摘した。 

同部は、中国は台湾への武力侵攻を諦めておらず、依然として「一つの中国」の原則を堅持していると指摘。今年に入り、中国軍機が台湾海峡の中間線越えを企んだほか、軍事演習や遠洋訓練を行ったことを例に挙げ、台湾に対する軍事的脅威を増大させているとした。 

同部によると、中国は新型攻撃ヘリコプターや各種装甲車両、潜水艦発射弾道ミサイルなどの軍備を入れ替えているほか、2017年には自主建造したエアクッション型揚陸艦の就役作業が完了。自主建造による初の大型空母も年内に就役する見通し。 

台湾への武力侵攻に関して同部は、中国は「損害は小さく、効率は高く、スピーディーに攻撃、早期に決着」の用兵理念の下、連合軍事威嚇や連合封鎖作戦、連合火力打撃、連合上陸作戦などの行動を取ることが考えうると指摘する。一方で、中国には全面的に台湾を侵攻する正規の作戦能力が備わっていないとし、現時点で比較的可能性が高いのは、連合軍事威嚇、封鎖作戦、火力打撃だとの見方を示した。上陸作戦については、中国は演習の頻度や規模を拡大しているものの、現時点では中華民国の離島を奪取しうる作戦能力しかないと説明した。 

(游凱翔/編集:名切千絵)

http://japan.cna.com.tw/news/achi/201908300007.aspx
中央社フォーカス台湾 2019/08/30 19:04