■「違法の可能性があり貿易秩序にそぐわず、立法趣旨には共感するが補完の必要」
■ソウル市議会、きのう常任委で条例案可決

日本の戦犯企業製品ボイコットを促すソウル市議会条例案について、ソウル市が「違法の可能性が高く、自由貿易秩序に反するため反対する」との立場を決めたことが3日、確認された。このためソウル市は同日、市議会側に「立法趣旨には共感するが補完が必要だ」との見解を伝えた。

与党・共に民主党が主導する条例案を、同党所属の朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が率いる市が制止する状況になったものだ。

それにもかかわらず、条例案は同日の市議会常任委員会で可決され、今月6日の本会議を通過する可能性が高まっているとの見方がある。

ソウル市は先日樹立した「日本の輸出規制に触発された韓日確執関連対応戦略」で、洪聖竜(ホン・ソンリョン)議員=共に民主党=が代表発議した「ソウル市日本戦犯企業製品公共購入制限に関する条例案」について、「地方契約法および地方自治法違反の可能性があり、今後、日本との外交紛争や通商摩擦の口実を与えかねないため、反対意見が妥当である」と明らかにした。

この条例案では、首相室傘下委員会の調査結果を踏まえ、284社を戦犯企業と規定している。また、リスト内の企業の資本で設立された企業、株を保有している企業、あるいはこれらを吸収・合併した企業も戦犯企業に含まれている。

その上で、「ソウル市長は市および傘下機関が戦犯企業の製品を購入しないよう努力しなければならず、購入を制限するための中長期計画樹立、教育・広報、関係機関との協力などの措置を取らなければならない」と規定している。

さらに、市長が戦犯企業取引現状の実態調査をし、市内25の区庁にも戦犯企業製品を買わないよう勧奨できるようにした。ソウル市教育庁に対する同じ内容の条例案も合わせて発議されている。

市はまず、国際入札を行う時、日本の戦犯企業だという理由で入札資格を制限することは地方契約法違反の可能性が高いと結論付けた。

戦犯企業の範囲が株式所有や吸収・合併企業にまで含まれれば韓国の材料メーカーも入ることになり、入札資格が制限される状況が発生すれば地方自治法に違反する可能性もあるとしている。

市はこの条例案をめぐり、「我々は日本の輸出規制措置(ホワイトリスト除外)を自由貿易の精神に反するものと考えて世界貿易機関(WTO)を通じて外交努力をしているが、韓国政府の日本に対する対応論理を弱体化させ、外交努力を阻害するものと懸念される」としている。

外交部も条例案制定の動きに懸念を見せている。最初の条例発議時も外交部当局者が直接ソウル市を訪問したが、先日も外交部当局者が市議会議長団と面談して懸念を表明していたことが分かった。

この条例案が市議会本会議を通過しても、そのまま公布・施行されないよう市や政府が措置を取るかもしれないとの見方もある。市議会で可決された条例案の内容が上位法令に抵触したり、予算権を侵害すると判断されたりした場合、市長は再議を要求することができる。

この要求が受け入れられない場合は、その条例案の効力喪失を大法院に提訴することができる。

2019/09/04 11:01
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