【ソウル=恩地洋介】北朝鮮の朝鮮中央通信は6日、朝鮮労働党の中央軍事委員会が同日午前、東シナ海を北上している台風13号による被害を防ぐための会議を緊急招集し、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が出席したと伝えた。会議では朝鮮人民軍幹部の人事も扱われ、朴正天陸軍大将を総参謀長に新たに任命し、総参謀部作戦総局の指導部を解任することが決まった。

報道によると、金正恩氏は軍幹部らを前に「大きな被害が予想される危険な状況だが、党と政府の幹部は手をこまぬいて旧態依然たる態度を取っている」と叱責。電力や農業部門の重要施設や、肝煎りのプロジェクトである観光地区の建設現場で被害防止策を急ぐよう指示した。

北朝鮮指導部の緊急会議が報じられるのは異例だ。軍幹部交代の背景は不明だが、組織の引き締めをはかった可能性もある。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49537780X00C19A9000000/
日本経済新聞 2019/9/7 2:16