日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)にある好漁場「大和堆(やまとたい)」周辺で先月24日、外国漁船の違法操業の監視にあたっていた海上保安庁の巡視船が、北朝鮮籍とみられる船舶から小銃を向けられていたことが13日、政府関係者への取材で分かった。日本政府は外交ルートを通じて、北朝鮮側に抗議した。

 政府関係者によると、現場は石川県の能登半島沖の西北西約385キロの日本のEEZ内。8月24日午前9時ごろ、海保の巡視船に迷彩服を着た乗組員3人が乗った小型ボートが数十メートルまで接近し、巡視船に小銃を向け、間もなく現場から離脱したという。

 小銃の発射は確認されておらず、警戒しながら監視を続けた巡視船の海保官らにけがはなかった。ボートに乗っていた乗組員が、ビデオカメラで状況を撮影しているような様子も確認された。ボートの近くには北朝鮮の国旗が塗装された大型船も確認されており、いずれも北朝鮮公船だった可能性があるという。

現場海域の近くではこの前日の8月23日午前9時半ごろ、違法操業する北朝鮮籍漁船の監視にあたっていた水産庁の漁業取締船が、北朝鮮公船とみられる同様の船舶に接近される事案が発生。この際、接近してきた船の乗員の武装は確認されなかったという。事案の通報を受け、海保の巡視船も警戒にあたっていた。

 大和堆周辺では平成29年7月にも、水産庁の漁業取締船が北朝鮮籍とみられる船舶から銃口を向けられる事案が発生し、政府は外交ルートで北朝鮮側に厳重に抗議していた。

https://www.sankei.com/affairs/news/190913/afr1909130005-n1.html
産経ニュース 2019.9.13 10:50