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続き

ジュゴン裁判

CBDは、米空軍海兵隊の普天間飛行場から名護市辺野古の移設には、絶滅危惧種の哺乳類ジュゴンの生態を侵害するとして、移設反対運動を展開している。

アースジャスティスは、米軍による沖縄の基地移転を阻止するために、2003年、ジュゴンを含む環境問題を訴えるCBDと日本の団体の代理として米国で訴訟を起こした。2018年8月にサンフランシスコ連邦地方裁判所はCBDを敗訴としたが、CBDは控訴した。書簡によると、アースジャスティスは裁判の他にも、基地移転を阻止するために米国内外でロビー活動を行っているという。

「アースジャスティスは、弁護人としての役割のみならず、米国大統領と日本の首相に公開書簡を送るなどして、基地移転を非難する宣伝キャンペーンに直接参加している」「アースジャスティスに代表される反基地組織の外国人は、政府当局へのロビー活動や世論に影響を与えるためのイベントの開催をしている。米国内では、すでに広範な政治活動を行っているようだ」と書簡にはある。

アースジャスティスから同委員会の書簡への回答はないもよう。委員会は2018年、環境保護団体の天然資源防衛協議会(NRDC)、世界資源研究所(WRI)、生物多様性センター(CBD)など、他の環境関連団体にも、外国代理人登録の可能性があると警告する書簡を送っている。

天然資源委員会が2018年9月5日付、WRIにあてた書簡で、中国政府との関係を問い合わせている。書簡によると、WRIは米高官に働きかけて、中国のエネルギー政策の正当性を宣伝するロビー活動を行っていると指摘している。

さらに、2017年以降、WRIは北京公安局と中国生態環境省の「指導と監督」の下で機能しているという。「WRIの指導者は、中国政府および共産党の高官と定期的に交流し、官製紙・中国日報や中国政府のプレスリリースおよび論説について肯定的な見方を宣伝するなどして、中国の環境プログラムを擁護している」。

2019年2月、米ニュースサイト「ワシントン・フリー・ビーコン」は、エネルギー専門家の話として、WRIは国連で、米国のエネルギー使用に制限を課すよう要求するいっぽう、中国の主張を庇護していると伝えた。

50年の活動履歴のあるNRDCは、委員会の書簡により中国政府の代理人の疑いがあるとの指摘を受けて「地球上で最も人口の多い中国は、多くの国と将来に関わっている。私たちは、中国やその他の国においても、持続可能な未来を創造するのに役立つ仕事を誇りにしている」と回答している。

終わり〆