蘇智良の主張する「40 万人余りの中国、朝鮮、日本、東南アジアおよび欧米国籍の慰安
婦」と「20 万人の中国人慰安婦」については、このあと同書の第八章で、主に日本人の先
行研究に依拠した算出の根拠が示されている。それによれば、当時の日本軍の兵数を 300
万人とし、慰安婦が 1 日に相手にする兵数を 29 人とし、さらに病気や死亡による人員交
替の係数を 3.5 から 4 とするのである。その結果、慰安婦総数は 300 万÷29×3.5(ある
いは 4)となり、約 36 万から 41 万となる。そこから朝鮮人慰安婦数の 14 万から 16 万を
減じ、更に日本人慰安婦の 2 万人とその他の国籍の慰安婦数を減じると、20 万人という中
国人慰安婦が得られる。