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▲22日、韓国・天安で開かれた半導体基板材料の工場の竣工(しゅんこう)式で演説する文在寅大統領(聯合=共同)

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が先ごろテレビ討論で日韓の安全保障問題に触れ「日本はわれわれの防波堤の役割によって自らの安保を維持している」と説教めいたことを語った。韓国は日本の安保に協力しているのだから「われわれに感謝すべし」「われわれの言うことを聞くべし」「われわれに譲歩すべし」…といった意味のようだ。

 「韓国の価値」を強調することで日本にその見返り(経済的利益?)を要求しているのだ。この発想は昔から韓国の対日外交にはあるのだが、公言したのは1980年代初めの全斗煥(チョン・ドゥファン)政権以来ではないか。当時、全斗煥政権は日本からの経済支援獲得のため「安保経済協力」なる新造語で100億ドルを要求(!)し、結果的に40億ドルをせしめた。

 北方に国際共産主義の“脅威”があった当時ならともかく、北朝鮮にすり寄り、中国への配慮が目立つ文在寅政権に急にそんなことをいわれても、日本人はぴんとこない。一部では“断交論”さえ語られる日本世論にあらためて「韓国の価値」を考えてもらいたいということか?

 日本はこれまでしっかりした防波堤になってもらいたいと相当な支援・協力をつぎ込んだ。ところがこの防波堤、北方に色目を使い出したのでその役割に“?”が生じているというのが現状ではないかな。(黒田勝弘)

ソース:【ソウルからヨボセヨ】 韓国は日本の防波堤か
https://www.sankei.com/column/news/191123/clm1911230005-n1.html