文大統領、新年の辞で「開城工団・金剛山観光再開必要」

ハリス米大使「南北関係、非核化進展と共に行われるべき」と反論

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が7日、新年の辞で「(北朝鮮・朝鮮労働党の)金正恩(キム・ジョンウン)委員長訪韓のための条件が一日も早く整えられるよう、南北が共に努力していくことを望む」と述べた。文大統領は同日、北朝鮮に対して、南北鉄道・道路の連結、開城工業団地と金剛山観光再開努力、南北が接している地域での協力などの対北朝鮮事業を提案した。文大統領は「今年は(2000年に行われた金大中〈キム・デジュン〉大統領と金正日〈キム・ジョンイル〉総書記による南北首脳会談後に発表された)6・15南北共同宣言20周年だ。平和統一の意志を固める共同行事をしよう」と語った。

 しかし、ハリー・ハリス駐韓米国大使はこの日、KBSのインタビューで、文大統領の新年の辞について、「米国との協議で行われるべきだ。我々は同盟国として緊密に共に仕事をしなければならない」と語った。また、「南北関係の進展と合わせて、非核化に向けた進展があるよう望む。これが重要な条件だ」とも言った。南北関係でペースを上げすぎることなく、米国とペースを合わせなければならないという意味に解釈できる。韓国大統領の新年の辞に米国の大使がすぐにブレーキをかけるよう言うのは異例だ。ハリス大使は韓国政府のホルムズ海峡派兵も公に要請した。

文大統領は昨年の状況については、「南も北も北・米対話を前面に押し出してきたのは事実だ。北・米対話が膠着(こうちゃく)していて、南北関係後退まで懸念されている今、南北協力をさらに増進させていく現実的な方策を模索する必要性が高まった」と語った。北朝鮮の非核化進展に伴う制裁緩和後、南北関係でペースを上げるとしてきたこれまでの見解より、南北関係を優先する方向へ重点を移したものと解釈できる。文大統領の「南北優先」方針は、北朝鮮の強硬路線宣言や挑発示唆、これらに原則的に対応するという米国など国際社会の流れとはかけ離れたものだ。北朝鮮は昨年から露骨に韓国政府を無視するようになり、国家情報院も先日、「北朝鮮はこれ以上、非核化交渉をしないだろう」という報告を国会にしたと言われる。特に文大統領は、昨年の新年の辞で述べた「北朝鮮の非核化」という言葉に今年の新年の辞では一度も言及しなかった。大統領の新年の辞で、北朝鮮の核問題に言及しないのは極めて異例だ。

 北朝鮮関連以外について、文大統領は「不動産投機との戦争で決して負けない」と述べた。文大統領は同日の国務会議で、政治家・政府高官らの不正を捜査する新機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」設置および運営に関する法律の公布案を議決した。文大統領は「(検察・警察)捜査権調整法案が処理されれば、さらに公正な社会になるだろう」と述べた。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2020/01/08 08:00