新年の韓国軍業務報告を受けた文大統領、新年の辞では省いた「6・25戦争70周年」に言及

 韓国国防部(省に相当)は、今年3−4月の実施が予想されている韓米合同演習を昨年と同じ基調で行う方針であることを明らかにした。韓国軍は昨年初め、キーリゾルブ演習およびフォールイーグル演習を廃止し、代わりに「19−1 同盟演習」と称して野外機動訓練を除いた指揮所演習(CPX)のみを実施した。今年もまた、昨年レベルの縮小された合同演習を行いたいというのだ。

 国防部の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)長官は21日、陸海空軍の指揮部がある忠清南道鶏竜台で、こうした内容からなる業務報告を文在寅(ムン・ジェイン)大統領に行った。韓国政府は、北朝鮮との対話のため演習を中断したいが、文在寅大統領の選挙公約である「戦時作戦統制権の任期中移管」のためには演習を継続しなければならないというジレンマに直面している。こうした状況で国防部は、昨年レベルの小規模合同演習を行うという基本的立場を明らかにしたのだ。ただし、幹部クラスの国防部関係者は「国家的にだとか外交的に行われる部分があるとしたら、韓米間で協議し、合意された範囲内で行う予定」と語った。

 国防部は21日の業務報告で、9・19南北軍事合意の今後の履行案も明らかにした。非武装地帯(DMZ)内の哨所(GP)撤去のための対北朝鮮協議や細部の推進方向を整備し、漢江河口の共同利用を継続して推進し、DMZ内の遺体発掘事業も続けることした。昨年北朝鮮が行った13回ものミサイル・放射砲(多連装ロケット砲)挑発や、昌麟島砲撃などの敵対行為には目をつむり、韓国軍側のみ軍事合意を守りたいというのだ。

 韓国軍は、北朝鮮の核・ミサイルの脅威への対応作戦である「4D」の用語も変えた。従来は探知(Detect)・かく乱(Disrupt)・破壊(Destroy)・防御(Defence)だったが、これまで使っていた「かく乱」と「破壊」を、それぞれ「決心(Decision)」「撃退(Defeat)」に変えた。韓国軍内外からは「北朝鮮の顔色をうかがって用語をソフトに変えた」という批判の声が上がった。

 また21日に文大統領は、新年の辞では言及しなかった6・25戦争70周年について触れた。ただし「今年は青山里・鳳梧洞の戦いから100周年になるのをはじめ、6・25戦争70周年、4・19革命60周年、5・18民主化運動40周年など独立・護国・民主と続いてきた韓国現代史を象徴する記念日が多い」と、複数ある行事の内の一つという言及だった。

梁昇植(ヤン・スンシク)記者

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2020/01/22 10:40