(台北中央社)中国・湖北省武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、蔡英文総統は22日、国家安全上層部会議を召集した。その後、台北の総統府で談話を発表し、世界保健機関(WHO)に対し、「政治的要素を理由に台湾を排除すべきではない」と台湾の参加受け入れを訴えた。交通部(交通省)観光局は同日、旅行業者に湖北省行きの団体旅行の一時停止を通達した。武漢からの団体客については、台湾訪問を中止するよう調整を進めている。台湾では21日、新型コロナウイルスによる肺炎の患者が初確認された。

台湾は1971年に国連を脱退し、WHOには未加盟。2009年から16年まではWHO総会にオブザーバー参加していたが、17年以降は中国の圧力を背景に出席できていない。

蔡総統は「台湾は世界の一部であり、2300万人の台湾の人々は地球上のその他の片隅と同様、いつでも健康リスクにさらされている」と言及。「台湾は国際防疫の第一線にあり、WHOには台湾が参加できる空間が必要だ」と主張した。

中国に対しては、正確な感染症情報を台湾と共有すべきだとし、「政治的思惑を人民の保障より優先してはならない」と呼び掛けた。

林佳龍交通部長(交通相)が22日午前、感染対策チーム関係者に伝えた情報によると、29日までに訪台予定の武漢の団体客は10組、計178人だという。

▽武漢への渡航、警戒レベルを引き上げ

台湾で対中国政策を担当する大陸委員会は21日付で、武漢市への渡航に注意を促す警戒レベルを1段階引き上げた。不要不急の渡航は控えるよう呼び掛けている。

(余暁涵/編集:名切千絵)

http://japan.cna.com.tw/news/apol/202001220004.aspx
中央社フォーカス台湾 2020/01/22 14:59

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蔡総統(右)