中国で感染が拡大する新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎について、感染の拡大が最も深刻な武漢を含む湖北省で新たに8人の死亡が確認され、死亡した人は17人となりました。中国国内で感染が確認された患者は540人を超え、中国政府は、24日から旧正月の「春節」にあわせた大型連休が始まるのを前に、感染防止策の徹底を呼びかけています。

中国で新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎の感染が相次ぐなか、中国の国営メディアは武漢を含み感染の拡大が最も深刻な湖北省で22日、新たに8人の死亡が確認され、死亡した人は17人になったと伝えました。

また感染者は湖北省だけで444人に達し、中国メディアは、中国全体で540人を超えたと伝えています。

こうしたなか、武漢の地元当局は、感染の拡大を防ぐため、公共交通機関や商店、公園など、人が多く集まる公共の場所では市民にマスクの着用を義務づける措置をきのう付けで始めました。

中国政府で保健衛生を担当する国家衛生健康委員会は、22日の記者会見で、「他の地域の人は武漢には行かず武漢の人もできるだけ他の地域に出ないようにしてほしい」と述べていて、感染が深刻な武漢でより徹底した対策をとった形です。

中国では、24日から、旧正月の「春節」にあわせた大型連休が始まり、大勢の人が移動して、感染がさらに拡大することが懸念されていて、中国政府は、国を挙げて感染防止策の徹底を呼びかけています。

専門家「ウイルスの潜伏期間 平均7日前後」

中国の保健当局の専門家チームのメンバーの1人、高占成医師は21日夜の、中国中央テレビの番組でインタビューにこたえ、新型のコロナウイルスの潜伏期間について、「現在の症例からすると、平均で7日前後だ。短かいと2日から3日で、長くて12日だ」と述べました。

また高医師は、患者の症状について、現在の症例からすると発熱や空ぜきが中心で、3日から5日後に息切れがしたり、胸が苦しくなったりして、人によっては呼吸不全やショック症状をおこすと説明しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20200122/k10012255531000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001
NHKニュース 2020年1月23日 4時09分