■韓国を覆った「武漢肺炎」で広がる反中感情
■美容整形外科もホテルもタクシーも「中国人客は受け入れない」
■「政府不信も無分別な嫌悪を誘発…社会全体に悪影響」

中国発の「武漢肺炎(新型コロナウイルス感染症)」に対する不安感が国内でも急速に広がり、各地で反中・嫌中の動きが拡大している。

中国人観光客が主に訪れるホテル、飲食店、美容整形外科などには「中国人のお客さまは受け入れません」と書かれた張り紙が貼られ、一部のタクシー運転手は中国人の乗車を拒否した。

インターネットでは反日のスローガンだった「NOジャパン」が「NOチャイナ」にシフトする動きも出ている。

政府の防疫網が破られたことも反中感情に油を注いだとの指摘も出ている。

国内で3、4人目の感染者(感染確定例)がソウルなど首都圏一帯を歩き回っていたことが分かり、政府の防疫体系への不信感によって高まっている不安と恐怖感が、中国に対する嫌悪という形で噴出しているというわけだ。

専門家らは「政府が防疫に対する信頼を与えられない場合、無分別な『ゼノフォビア(外国人嫌悪)』となって事態が拡大する可能性がある」と懸念する。

■美容整形外科は予約取り消し・タクシーは乗車拒否…中国人観光客「患者扱い…不快」

28日午前、ソウル市江南区新沙洞にある美容整形外科。中国人客2人が「カウンセリングを受けたい」と来院すると、職員はまず2人の体温を測り「韓国に入国して何日たったか」と尋ねた。「5日だ」と答えると、職員は「体温は正常だが(武漢肺炎の)潜伏期間の可能性があるため、病院の利用は難しい」と2人を帰らせた。

病院の関係者は「全体の10%が中国人客だが、国内顧客の予約キャンセルの問い合わせが相次いでいるため、やむを得ず中国人客を受け入れないことにした」と話した。

ソウル市江南区ノンヒョン洞のあるホテルでは「宿泊不可」と言われた中国人観光客たちがスーツケースを持って出てきて、付近のファストフード店に向かった。このホテルは24日までに42件の中国人観光客からの予約分について全額払い戻し措置を取り、当面は中国人に限り宿泊禁止とすることを決めた。

ホテルの関係者は「中国人ではない他の国籍の宿泊客の不安を考慮し、中国人の予約を一時的に停止した」と説明した。

この日、新沙洞のカロスギル(街路樹通り)前でタクシーを探していた中国人観光客3人は、3度の乗車拒否に遭った。一度タクシーに乗って目的地を告げても、中国語を話すと「申し訳ないが降りてください」と言う運転手が多かった。

あるタクシー運転手は「午前中も、明洞まで行ってほしいという中国人3人を乗せたが、丁重に『降りてください』と告げた」として「万が一この車に乗ったお客さんたちに病気がうつったらと心配になった。申し訳ないので中国人の多い明洞、江南駅、弘大などには今日はなるべく行かないようにする」と話した。

相次いで乗車を拒否された中国人観光客女性Aさん(23)は「武漢から来たわけでもないのに手当たり次第拒否するとはどういうことか」「(武漢肺炎)患者でもないのに患者扱いされているようで不快だ」と話した。タクシーを捕まえられなかった中国人たちは、地下鉄3号線の新沙駅へと向かった。

2020/01/28 22:00
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