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ソウル市は文化・福祉予算を優先的に編成

工事期間は予想より5年ずれ込み…事業費は当初より1000億ウォン増

 着工から11年間工事が続いているソウルのワールドカップ大橋が、今年12月に開通する。工事開始からおよそ10年8カ月。橋の工事としては韓国国内で最長の記録になる。以前は、2018年12月に開通した冬柏大橋(忠清南道舒川−全羅北道群山)が10年3カ月で、最長工事記録を持っていた。ワールドカップ大橋は、本来の計画よりも工事期間が5年も長引き、事業費が1000億ウォン(現在のレートで約92億円。以下同じ)近くも余計にかかった。

 4日にソウル市が明らかにしたところによると、麻浦区上岩洞と永登浦区楊坪洞を結ぶワールドカップ大橋(長さ1980メートル、幅31.4メートル)の進捗(しんちょく)率は75%。橋と南端の出入路を結ぶ締めくくりの作業だけが残されている状態だ。市は2010年4月に工事を開始し、15年8月までに完工させたいと発表した。しかし翌年11月に就任した朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長は「土木事業を減らしたい」として、福祉・文化事業に予算を優先配分した。毎年予算が限定される状況で、ワールドカップ大橋の工事は後回しにするほかなかった。11年は工事予算として300億ウォン(約27億5000万円)が策定されたが、市の負債削減対策の一環として100億ウォン(約9億2000万円)のみ配分された。完工の時期も16年へと1年ずれ込んだ。市は17年12月にも、開通の時期を「20年8月」と暫定発表したが、進捗率などを考慮して今回さらに4カ月先延ばしにした。

 工事が大幅に遅れたことで、ワールドカップ大橋の工事事業費は大きく増えた。当初、事業費は2590億ウォン(約238億円)と策定されたが、施工会社の人員や資機材が待機する費用や追加のランプ開通費などを合わせて、現在は総事業費3550億ウォン(約326億円)に達している。上岩洞に暮らす50歳の人物は「来年になれば良くなるかと思っていたのが、もう10年」として「出勤・退勤のたび城山大橋まで回っていかないといけない住民としては、一日も早く開通することを望むばかり」と語った。

李世永(イ・セヨン)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/02/05/2020020580024.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2020/02/05 10:01