韓国最高の文学賞で、日本の芥川賞に相当するとされる「李箱(イサン)文学賞」の発表を、主催する出版社「文学思想」が断念した。受賞作の著作権を同社が3年間独占するとの規定をめぐり、作家らが「不当な搾取だ」と反発したためで、賞が1977年に創設されて以来、初めてのこととなる。

 同賞をめぐっては、作家たちが「受賞した場合は作品の著作権を譲渡する」という規定を問題視し、受賞を拒否すると表明。過去の受賞者が賞の返上を発表したり、著名な作家らが「断筆」を宣言したりするなど反対の声が広がっていた。

 李箱文学賞は朝鮮半島で20世紀前半に活躍した作家、李箱をたたえ、文学思想社が創設した。

朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASN2H624PN2HUHBI010.html

ソウル=神谷毅2020年2月15日19時15分