【世宗聯合ニュース】先月20日に韓国で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されてから間もなく1カ月となる。同ウイルスの感染拡大を受け、韓国の輸出や内需への影響が広がっている。経済指標に及ぼす影響は、すでに5年前の中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)流行時を上回ったと分析され、経済への影響を懸念する声が高まる中、政府は対策に頭を抱えている。

 政府や業界などによると、新型コロナウイルスの感染拡大による韓国経済への影響が目立ち始めている。

 今月1〜10日の一日あたりの輸出額は15億3000万ドル(約1680億円)で、前年同月に比べ3.2%減少した。1月は同4.8%増となり、14カ月ぶりに増加に転じたが、再び減少したことになる。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中国内の自動車部品企業の生産が中断したことで韓国の自動車メーカーは国内工場の操業中断を余儀なくされた。現代自動車が4〜11日に工場別に順次休業したほか、双竜自動車は4〜12日に休業しており、2月の製造業生産への打撃は不可避だ。

 内需への打撃も目立ち始めている。

 1月24〜31日に韓国を訪問した中国人観光客数は前年に比べ、一日あたり11%減少。今月は減少幅がさらに大きくなっている。

 韓国を訪問した観光客のうち、中国人が占める割合は昨年ベースで34.5%に達する。

 中国人観光客の減少は旅行業、ホテル業、免税店などを直撃する。

 観光客向けの飲食店やカフェの訪問客が減少し、観光客が多く訪れるソウルの明洞や南大門市場の売り上げは80%減、広蔵市場は50〜70%減った。

 政府は新型コロナウイルスの感染拡大による経済指標への影響が、5年前のMERSの時を上回ったと分析した。

 洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官は13日に「経済指標の変化をみると、5年前のMERSの時より響いていると分析された」と説明した。

 中央銀行の韓国銀行などによると、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)と2015年のMERSによる韓国経済の成長率下落はそれぞれ年間0.1ポイント、0.3ポイントに達したとされる。  

 経済指標への影響が出始めたことを受け、韓国経済が1〜3月期にマイナス成長に陥るとの懸念が広がっている。

 米投資銀行大手のモルガン・スタンレーは最近の報告書で、新型コロナウイルスの衝撃により、1〜3月の韓国成長率が前年同期比で、少なくとも0.8〜1.1ポイント下落すると見通した。

 米金融大手JPモルガン・チェースは、新型コロナウイルスの感染拡大で、韓国経済が1〜3月期に前期比で0.3%マイナス成長するとの見通しを発表している。

 韓国の経済専門家たちも、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、韓国経済が打撃を受けるのは不可避で、1〜3月期にマイナス成長する可能性に対し、懸念を示している。

聯合ニュース
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2020021680026

2020/02/16 15:09