▲写真=韓国から空輸されたマスクの箱/インターネット上でキャプチャー
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これまで韓国の政府・与党が「官民共同」で中国に送ったと主張してきた「マスク300万枚」の資金提供者は中国企業だったことが判明した。与党は「中国がとても感謝している」と説明していたが、現地では「(中国の)買い出し団が韓国で『狂ったようにマスクを買い漁った(瘋狂掃貨)』」(中国証券報)などと報じられている。

韓国政府は1月28日、「官民が協力し、マスク200万枚、医療用マスク100万枚を中国に支援する」と表明した。政府による発表を前後し、韓国国内のマスク価格が急騰した。その後、「中国にマスクを朝貢した」「マスク価格が12倍に高騰した」などと世論の批判が強まり、政府は「マスクは全て中国留学校友総連合会と武漢大韓国総同門会が自発的に準備したものだ」と釈明した。国内の民間団体による寄付を政府が支援したという意味だった。中国に送られたマスクは確認されただけで160万枚だった。両団体の会長を務める朴釘(パク・チョン)国会議員(共に民主党)は「中国当局は韓国が官民共同でマスク300万枚などを武漢現地に送ったことをとても感謝している」とし、「厳しい状況にある中国を助けたものだ」と説明していた。

ところが、中国で報じられているのは、韓国の政府・与党の主張とは異なった。「中国企業の資金で韓国でマスクを大量購入してきた快挙」という内容だった。中国証券報は今月4日、「海外で爆買い(搶購)した防疫物資」と題する記事を掲載した。「搶購(チアンコウ)」とは中国人観光客や運び屋商人による商品の大量購入に主に使われる単語だ。

記事によれば、マスク支援は当初から中国側によって計画された。武漢大同門企業家連合会という中国人の実業家グループが1月24日から韓国製の防疫物資を中国向けの調達する計画を立てた。武漢大出身でスマートフォン・生活家電大手、小米(シャオミ)の創業者の雷軍氏が私費で1070万元(約1億6800万円)、景林資産が340万元、中誠信集団、中珈資本がそれぞれ330万元など合計で2070万元を拠出した。同紙は買い出し団が1月25日に「狂ったように物資を買い漁った」と伝えた。同日、武漢大のウィーチャット(中国で大手のメッセンジャー)の公式アカウントも「武漢大韓国校友会が韓国で物資を『買い占め方式』で確保した」と伝えた。

当時韓国では既にマスクが品薄になり、価格が高騰していた。中国側も既にそれを把握していた。武漢大は「時々刻々値上がりし、(韓国メーカーによる)供給中断、契約違反など厳しい状況の中で、手当たりしだいにマスクを購入し、金額の上限は考慮しなかった」「韓国政府が積極的に専用機を、(中国は)民用航空局、武漢市商務局、武漢税関、現地交通管理当局などが協力した」と伝えた。韓国政府がマスク不足が起きている国内市場で中国の大企業による大量購入を積極的に助けたことになる。

韓国政府はそうして確保したマスクのうち11万枚を1月30、31日、武漢在住の韓国人を帰国させるためのチャーター機2便で、2月3日には別のチャーター機で150万枚をそれぞれ武漢に送った。しかし、翌4日、中国外務省の華春瑩報道官は定例会見で、日本に対してのみ「とても感動した」と支援品目を列挙した。韓国については翌日言及した。「防疫物資支援21カ国」の一つとして国名の言及があっただけだ。マスクの伝達過程をよく知る人物は「中国にしてみれば、自分たちの資金で購入した160万枚の輸送を韓国政府に支援してもらっただけであって、大きく感動したといった表現を使うほどのことではないと考えたはずだ」と語った。

中国現地メディアは4日、韓国でマスク調達の総責任者を務めた武漢大韓国総同門会の幹部らが中国に送るマスクの倉庫で組織名やマスク購入資金を提供した企業名が書かれたボードを持って撮影した記念写真も報じた。同幹部はその後、外国人としては異例で武漢大同門企業家連合会の会員になったという。朴議員ら武漢大韓国総同門会は本紙の説明要求に応じなかった。

2020/02/17 10:40
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