韓国でも新型コロナウイルスが猛威を振るっている。

恐るべきことに最大の感染場所が異端の宗教団体だった。新興宗教「新天地」が、
2月16日に韓国南部・大邱市で開いた礼拝で、感染者が一気に急増。

21日には52名の感染者が新たに認定され、韓国政府は大邱市を「感染症特別管理地域」に指定するまでとなった。

正式名称「新天地イエス教証しの幕屋聖殿」という、この団体は、キリストの生まれ変わりと称する教祖のイ・マニ(88)が
永遠の生命を謳い、彼の教義を学ぶというキリスト教異端派だ。

同教団の公式発表によれば、全世界に約20万人、韓国には約12万人の会員がいるという。

「1984年設立の新興団体ですが、2000年代後半から異端視されていた宗派です。信者勧誘に関するトラブルが後を絶たない。
信者に家族との縁切りを強制したり、プロテスタント系の別の教会にスパイを送り込む手口を見せています」

韓国一般紙記者が続ける。

「16日の礼拝は、9階建ての教会建物の各フロアにそれぞれ500人が集まり、白いシャツに黒のズボン、
スカートの統一された衣装の男女が列をなして祈っていました。室内は完全な密閉状態だったといいます」

保健当局に協力する新天地だが、世論の怒りを買ったのは隠蔽工作だ。
一部の信者が「礼拝には参加していない」と検査を拒否。これが爆発的な感染拡大に繋がったとみられているのだ。

「『新天地』が『対応マニュアル』を作っていたことも明らかになった。内容は『教団外からの問い合わせには礼拝に参加していないと答えろ』
などというもの。教団側は『マニュアル作成は信徒自身の判断であり教団の指示ではない』と弁明し、『我々こそ被害者』『悪魔の仕業』などとも開き直っています」(前出・記者)

教団を脱退した牧師によれば、「16日の礼拝参加者は1000人と発表されているが、実際には8000人いた可能性もある」という。

韓国政府やソウル市当局などは「市内の同教団関連施設の閉鎖・消毒」を発表。一方で、「新天地」関係者の名簿を確保するなど、教団の取締まりに躍起だ。
集会会場の監視カメラや教団関係者のクレジットカードの履歴まで調べ、実態の把握に努めている。

「さらに政府は、大邱地域の教団関係者9300人の名簿を基に全員の自宅待機措置を取り始めた。
この措置は、検査結果が出ていない信者にも適用される。総額110億ウォン(10億円)の生活支援金が支給されると発表しています」(同前)
https://bunshun.jp/articles/-/36317