【リセットコリア】韓日中のコロナ三国志、対立ではなく協力が答え
3/16(月) 15:32配信

韓中日の3カ国は新型コロナ拡散に直面しているが、対応において様々な問題を見せた。まず、パンデミックは経済・社会的影響が大きい人間安保の問題で、科学的に扱わなければならない。初期には抑止措置として防疫遮断に注力しつつ、地域感染が始まったら防御措置として厳格な患者隔離と医療インフラの効率的な運営を図るべきだ。

ところが、3カ国とも国内政治に縛られて初期抑止に失敗した。中国は習近平体制維持のための情報遮断で武漢で拡散を防ぐことができなかった。日本は7月の夏季オリンピック(五輪)開催を意識してクルーズ船の乗客の下船を妨げ、中国の旅行者の入国制限を十分に取らないまま甘い検査方式に依存した。韓国も習近平の韓国訪問の早期実現と中国への配慮のために初期防疫遮断をしなかった。韓日の外交的対応は中国からの旅行者の早期遮断で拡散を防いだ台湾・ベトナム・ロシア・シンガポールと明確な差を招いた。外交より防疫を優先すべきだったが、科学より政治が状況を主導したためだ。

第2に、新型コロナウイルスは無症状の患者から感染する可能性があるため初期防疫が破られれば拡散速度が非常に速い。イタリア・イラン・韓国の感染者急増で見たように患者が19日で10倍に増えることが分かった。新型コロナウイルス対応には透明性と機動性が重大だが、初期発生の事実を隠して重大な事態を招いた中国も、五輪主催国のイメージを守ることを気にした日本も問題がある。韓国は初期防疫に失敗したが、迅速な大規模な検査により透明性のあるアプローチをした点は評価に値する。

第3に、北東アジアとしての協力が欠けている。北東アジア3カ国は人的・物的ネットワークにより相互アクセス性が高いため新型コロナウイルスの鎮圧に緊密な協力が必要だ。中国は初期に韓日両国に状況を早く知らせ、効果的な拡散防止に必要な情報を提供すべきだった。日本も今月5日、遅れて入国制限措置を取りながら中国とだけ協議する二面的態度を見せたのは協力的なアプローチに反する。韓国政府も130カ国が入国制限・禁止をしている状況で日本にのみ対抗措置を取ったのは適切なのか疑問だ。日本の措置の早期解除を求めつつ、北東アジアにおける防疫・治療情報の交換、相互物資協力、検査を条件とした入国許可など新型コロナウイルスの早期鎮圧と被害軽減のための3カ国協力強化を求めるのが成熟した外交姿勢だ。

国際協力が必要な新型コロナウイルス対応にはすでに経験を蓄積した3カ国の支援が重要だ。これは新型コロナウイルスによる欧州のアジア人種嫌悪を防ぐことにも効果がある。世界的規模の経済的打撃を緩和するための国際社会の努力にも世界経済の比重が大きい韓中日の役割は重要だ。今後、パンデミック・リスクは世界化・都市化により益々高まり、北東アジア・地球規模の対応体制の構築が切実だ。新型コロナウイルス事態の克服経験を生かし、先導的役割を担わなければならない。

筆者が参加した2005年の国連の改革の議論では、国際社会は医療インフラが強い韓国に世界保健分野の積極的な役割を要請した。「ワクチンの皇帝」と呼ばれた李鍾郁(イ・ジョンウク)WHO元事務局長が「3by5」キャンペーン(2003年に30万人のエイズ治療の人口を2005年までに300万人に拡大)でエイズ患者に希望を与えた業績も私たちにとって大きな資産だ。韓国が2008年の世界金融危機の時にG20会議を誘致し、世界景気浮揚のための国際協力を導くのに寄与したように、新型コロナウイルス対処でも地域・世界的対応を導くように努力しなければならない。

新型コロナウイルスは政治や国境を知らない。パンデミック対応のための地域・グローバル協力体制の構築が必須であるという点から、疫学・医療インフラが充実し様々な利害グループ間のかけ橋になることができる韓国が積極的な役割を通じて外交資産を蓄積しなければならない。

申ガク秀(シン・ガクス)/法務法人世宗(セジョン)顧問、元外交部次官
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200316-00000040-cnippou-kr