日韓関係の悪化は、両国の安全保障にどう影響し、何が懸念されるのか。韓国側の見方を専門家に聞きました。


韓国国防外交協会会長 権泰煥氏

――元徴用工問題に端を発した日韓関係の悪化は、1965年の国交正常化以降、最悪との評価もあります。

「韓日の相互不信は、安全保障にも悪影響を及ぼしている。実際に2018年12月、韓国海軍艦艇と海上自衛隊哨戒機が接近し、
トラブルが起きた。日本は『(射撃用の)火器管制レーダーの照射を受けた』と抗議。韓国はこれを否定し、『低空の威嚇飛行を受けた』と批判した」

「韓国軍はこの事態を受け、自衛のためとして新たにマニュアルを作った。他国の哨戒機や艦艇から威嚇を受け、
警告しても従わない場合は@火器管制レーダーの稼働A警告射撃など兵器システムの稼働――の順で対応するとの内容だ。
日本側を刺激するもので、今後の安保協力に悪影響を及ぼすのでは、と憂慮している」

――日韓双方が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)周辺の上空で昨年7月、
ロシアと中国が「共同警戒監視活動」を行いました。

「ロシア機が独島周辺を領空侵犯し、緊急発進した韓国空軍の戦闘機が警告射撃をした。
中ロは韓日の関係悪化に乗じて、韓米日の安保連携を試そうとしたのだろう」
https://www.asahi.com/articles/ASN3J3JTMN2BUHBI00R.html