【ソウル時事】東京五輪の延期決定について、韓国各紙は25日、1面で「史上初の延期」(中央日報)などと報じ、関心の高さをうかがわせた。

 元徴用工問題などで関係悪化が続く日韓だが、五輪に合わせた文在寅大統領の訪日機会が当面失われた形で、関係改善は一段と遠のきそうだ。

 中央日報は、延期が「安倍(晋三)首相の自民党総裁任期が2021年9月であることと無関係ではない」と指摘し、五輪を「成功させれば『政治的遺産』になる」と解説。「世界的な宿題解決のため主導的な役割をする指導者を演じた」と首相の決断を説明する外交筋の話も伝えた。

 昨年末には中国・成都で約1年3カ月ぶりの日韓首脳会談が行われ、関係改善の糸口になると期待が高まった。だが、新型コロナウイルスの感染拡大で日本政府が韓国からの入国制限に踏み切ると、韓国政府は「不当な措置だ」と反発。停滞感は強まっている。

 文氏は1月の記者会見で東京五輪に「積極的に協力する計画だ」と述べ、五輪を通じた関係改善に期待感を示していた。延期で日韓首脳が並び立つ機会が失われ、その目算が狂っている。 

時事通信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200325-00000161-jij-kr

3/25(水) 20:36配信