慰安婦団体と徴用工遺族が対立
4/13(月) 5:57配信


 新型コロナウイルスの感染者が1万人を超える韓国。その惨状は日本以上だが、文在寅大統領にとっては悪い話ばかりではないよう。

「コロナの問題は経済、政策など、文政権の失政を全て吹き飛ばした。危機突破を訴える文氏の支持率は55%と、1年数カ月ぶりの高水準となりました」(ソウル特派員)

 この“コロナ特需”を追い風に文大統領が挑むのは、4月15日に投開票が行われる韓国国会の総選挙である。

「一院制で、小選挙区と比例区を合わせた300議席のうち、現有議席は、革新系与党『共に民主党』が121、保守系野党『未来統合党』が104議席。与党が過半数を獲得すれば、文大統領の任期の残り2年間は安定します。一方、過半数を割ればレームダック化が加速し、また例によって、文大統領が捜査当局のターゲットになる可能性も」

 まさに政治生命がかかった正念場。だが、さっそく綻びも見え始めたという。

 韓国人記者によれば、
「実は、ある議席を巡って“徴用工”と“慰安婦”が火花を散らしているのです」


 反日運動の両輪ともいえる二つのシンボルに、一体何があったのか。


「3月23日、慰安婦支援団体である正義記憶連帯の尹美香代表が与党系の“市民推薦候補”に選ばれました。彼女は、比例区で当選が確実視されているんですが、これに元徴用工の遺族らが異を唱えたのです」

 正義記憶連帯とは“挺対協”の後継団体で、慰安婦問題追及の急先鋒。尹氏は、2016年の日韓合意による“償い金”の受け取り拒否を元慰安婦たちに指南した“筋金入り”である。

“補償をよこせ”

 一方、元徴用工の遺族らも遺族会を設立し、日本企業に賠償を求めるなど“反日工作”に余念がない。

「実は、元徴用工の遺族らでつくる政党『行こう! 平和人権党』も“市民推薦候補”を狙って与党にすり寄っていた。でも、尹氏が選ばれたことで、それが霧消してしまったのです」

 これにより、元徴用工の遺族会は積年の恨みを爆発させた。

「遺族会は“元慰安婦はすでに十分な補償を受けているが、元徴用工は何ももらっていない”“共に民主党の行動はアベよりも悪い”などと罵ったのです」

 結果として、増長する慰安婦団体に待ったがかかったのは日本にとって僥倖か。ところが、だ。

「元徴用工の遺族らは日本から4兆ウォン(約3500億円)の未払い賃金を受け取ることを公約に掲げ、独自に選挙を戦うことを決めました」

 困ったことに“憎き日帝”で鎬を削るのは、この2団体に限らない。

「16年8月、三菱重工業に対し、元徴用工遺族らに1人当たり9千万ウォンの賠償を命じたソウル中央地裁の元判事も、与党の公認を受けて出馬。彼は、18年に現職判事の身分で、朴槿恵前大統領と当時の最高裁判事の裏取引を告発したことでも知られる。文政権の司法改革の口実を作った人物で、文氏が裏で糸を引いていたことが白日の下に晒されたわけです」

“猫も杓子も反日”という総選挙ゆえ、こんな問題も。

「今回、『共に民主党』はタマネギ法相ことチョグク前法相に近い候補者たちとの連携を切ったんです。彼らは苦しい選挙戦を強いられることになります。チョ氏と親しかった元大統領府秘書官の候補者など、レクサスを所有していると政府機関に発表されてしまった。彼が掲げた“親日勢力の清算”という公約も水の泡、あまりの皮肉です」

 コロナとともに拡がる韓国政界の無秩序。

「週刊新潮」2020年4月9日号 掲載
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200413-00617874-shincho-kr