アメリカ政府は、去年、中国の核実験場で活発な動きが確認されたとして、「中国が核実験の一時停止を続けるか懸念がある」とする報告書を公表し、中国による核実験の可能性に懸念を示しました。

アメリカ国務省は国内や各国の核軍縮の取り組みなどをまとめたことしの報告書の要約を議会に提出し、15日公表しました。

この中では、中国内陸部の新疆ウイグル自治区ロプノールの核実験場で去年、掘削作業などの活発な動きが確認されたとしています。

また、オーストリアのウィーンに本部のある国際的な核実験の監視網CTBTOへの監視データの送信が、中国で頻繁に遮断されるなど、透明性を欠いているとしたうえで、「中国が爆発を伴う核実験の一時停止を続けるか懸念がある」と指摘し、中国による核実験の可能性に懸念を示しました。

報告書について、アメリカの「ウォール・ストリート・ジャーナル」などは、中国がひそかに小規模な核実験を行っている疑いがあると報じています。

このほか、報告書の要約ではロシアが去年、核爆発を伴う実験を行ったと指摘しています。

一方で、アメリカは去年2月に核爆発を伴わない臨界前核実験を行ったほか、低出力核と呼ばれる威力を抑えた核弾頭の配備を進めるなどしていて、核軍縮の行方は一段と見通せない状況です。

中国外務省「根拠のない非難 強く反対」

アメリカ政府が、去年、中国の核実験場で活発な動きが確認されたとして「中国が核実験の一時停止を続けるか懸念がある」とする報告書を公表したことについて、中国外務省の趙立堅報道官は、16日の記者会見で「アメリカが事実を顧みず雲をつかむような話をして、中国に根拠のない非難を行っていることは無責任だ。さらに言えば、別のたくらみがあるかのようだ。中国は絶対に受け入れられず強く反対する」と述べ、激しく反論しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20200416/k10012390511000.html?utm_int=news_contents_news-main_001
NHKニュース 2020年4月16日 19時23分

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