韓国総選挙で与党が前例のない圧勝を収めたことで、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「韓半島平和プロセス」構想の推進にも弾みがつきそうだ。

 青瓦台は総選挙翌日の16日、国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、「韓半島平和プロセスの進展に向けた一貫した努力を続けることで一致した」と発表した。これに先立ち、文大統領は今年初め、韓国人の北朝鮮への個人旅行、南北保健協力、非武装地帯(DMZ)の平和ベルト構築などを推進する意向を表明した。しかし、昨年2月のハノイでの米朝首脳会談が決裂して以降、韓国を無視し続けている北朝鮮がいつ、どのように呼応するのかがカギとなる。

 民主党は今回の総選挙の公約で「平和経済で韓半島の平和と繁栄を実現する」とし、南北経済協力を推進する意向を表明した。文大統領が新年の記者会見で表明した北朝鮮への個人観光旅行は、新型コロナウイルスの流行が落ち着き次第、積極的に推進する可能性が高い。与党関係者は「北朝鮮と中国の貿易が遮断され、北朝鮮が四面楚歌の状況にある上、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が観光事業に力を入れているだけに、観光を媒介とした南北経済協力に応じる可能性は十分にある」と話した。

 民主党はまた、金剛山観光、開城工業団地の再開も推進するとしている。これらの事業は国連安保理の対北朝鮮制裁決議に違反する恐れがあり、政府・与党は安保理決議を回避できる方法を探っているとされる。このほか、環東海・環西海・DMZ平和ベルト構築、統一経済特区設置、韓半島の交通物流網連結などで韓半島の新経済構想を実現していく構えだ。南北経済協力を安定的に推進するには、北朝鮮による呼応と共に米国など国際社会の支持を得る必要があるため、支持層ばかりに目を向け、強引に推進すれば、米国などと対立しかねないとの指摘もある。

 民主党は南北の交流協力を強調し、▲南北国会会談▲2032年のソウル・平壌五輪共同招致−−を推進することも表明している。常時再会など離散家族問題の解決、脱北者の死角解消、北朝鮮の人権改善、人道的支援、開発協力推進なども公約している。

朝鮮日報日本語版
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4/17(金) 11:00