【朝鮮日報社説】韓国60歳以下就業者が53万人減、一時休職者は126万人増、危機の始まりだ

4/18(土) 9:00配信
朝鮮日報日本語版

 新型コロナ事態の影響で韓国の3月就業者数が1年前に比べて19万5000人減り、11年ぶりの下げ幅を記録した。コロナにより一時中断した高齢者雇用まで就業者としてカウントし、60歳以上の雇用が33万6000人増えたとして集計されたにもかかわらず、これが実際の雇用の実態だ。税金で創出したアルバイトがほとんどを占める60代以上を除くと、就業者数は何と53万人も減少した。統計上、就業者にカウントされる「一時休職者」は126万人も急増し161万人になった。雇用統計が出た後に一時休職者がこれほど多くなるのははじめてだ。衝撃的とも言えるレベルだ。

 これに加えて最初から求職を放棄した人は58万人に達する。実際の失業者118万人まで合計すると、経済活動人口全体の12%にあたる330万人が、3月には仕事がない状態で過ごしたことになる。雇用が不安定な臨時職は41万人、日雇いは17万人減り、20代の雇用は18万人も減少した。非正規職や若年者など雇用弱者層を中心に、コロナによる失業大乱が始まったのだ。

 今は中小・零細企業や自営業者などが打撃を受けているが、これが大企業や製造業、正社員、30−40代にも広がるのは時間の問題だ。政府は雇用を維持する企業に支払う支援金に充てる予算を1000億ウォン(約88億円)から5000億円(440億円)に増やした。企業は直ちに社員を解雇せず、政府の雇用維持支援金で人件費を補てんする形で持ちこたえているが、この支援金を申請する事業場の数が1日で昨年全体の申請件数(1514カ所)全体の2倍のペースで増加している。政府が追加確保した5000億ウォンでは全く足りないのが現状だ。

 失業手当の財源となる雇用保険基金はコロナ事態以前からすでに累積額が7兆ウォン(約6200億円)にまで縮小していた。継続する雇用惨事により補助金など各種支給額が急増し、昨年は2兆ウォン(約1800億円)の赤字を記録したからだ。失業大乱の現状から考えると、今年上半期には積み上げられた基金がさらに取り崩され、ほぼ底をつく可能性も考えられる。国民の税金を使って緊急に基金を補てんするしかない。

 雇用が失われることほど家計や国民経済にとって大きな衝撃はない。雇用危機の長期化に備え、十分な財源を備蓄しなければならないが、政府は税金を効果的に使用していない。特別児童手当として1兆ウォン(約880億円)を支出し、雇用の面で問題のない公務員や公企業の社員を含む70%の世帯に緊急災難支援金を出すのに9兆ウォン(約8000億円)を使うという。災難支援金は低所得層に限定し、残った財源は近く襲ってくる失業大乱に備えるものとしなければならない。

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