河野太郎防衛相が欧米諸国との「積極外交」を展開している。新型コロナウイルスの世界的な流行で、各国との防衛交流が停滞。感染収束後に中国が軍事的、経済的に影響力を増すとの警戒感から、各国に連携を呼び掛けている。

米艦の西沙「侵入」に反発 「コロナ対策に精力を」―中国
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020042801218&;g=int

 河野氏は28日、英国のウォレス国防相と電話会談し、「自由で開かれたインド太平洋」構想をめぐり協力を確認。今月下旬以降、米国、フランス、ドイツ各国の国防相とも相次いで電話会談を行った。
 背景には、新型コロナウイルス感染拡大の中でも、東・南シナ海で存在感を誇示する中国がある。中国は11〜28日、空母「遼寧」など6隻を沖縄本島と宮古島の間で初めて往復させた。
 ベトナム外務省は3日、ベトナム漁船が西沙(英語名パラセル)諸島付近で中国海警局の船舶に追突され沈没したと発表。中国は南シナ海で行政区設置に踏み切り、日本政府は「力による一方的な現状変更」(防衛省幹部)とみて、警戒している。
 さらに、中国は「一帯一路」経済圏構想に参加した国々を中心に、マスクなどの物資や医療を支援。欧州では、中国を念頭に、経済低迷で通信などの重要インフラ買収への懸念も出始めた。
 河野氏は28日の記者会見で「コロナの影響で国際秩序の枠組みにどういう変化が起きるか(各国と)話している」と説明。今後も各国との電話会談を重ね、関係強化に努める考えだ。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020042900526&;g=pol
時事ドットコム 2020年04月30日07時23分

https://i.imgur.com/ngGeohC.jpg
中国による埋め立てが進む南沙諸島の(左上から時計回りに)クアテロン礁、ジョンソン南礁、ヒューズ礁、ファイアリクロス礁=全て2016年5月上旬撮影(フィリピン国軍関係者提供)