国籍に「中国」 台湾人留学生がノルウェー政府を提訴 一審敗訴
2020/05/03 19:02

(ベルリン中央社)居留証の国籍に「中国」と表記されたのを受け、ノルウェーで学ぶ台湾人留学生らが同国政府を相手取って起こした訴訟で、一審判決がこのほど下され、「一つの中国」政策を理由に敗訴となった。原告は控訴する方針。

中央社が入手した判決書によれば、訴訟はノルウェー滞在の台湾人が国籍の正確な表記を求めて2019年8月末に、オスロ地方裁判所に起こした。4月28日に一審判決が下り、判決書では「一つの中国」政策を順守する同国は台湾を国として認めていないことに言及し、台湾人の国籍を中国と表記するのは自国の政策に合致するものとして、原告側の主張を退いた。

訴訟の中心メンバーの男性はこの結果に対し、予想通りだとしながらも、審理が書面で行われたことで、原告の権利が損なわれたのではないかと疑問を呈した。台湾の主体性を強調し勝訴判決が欧州で判例となるよう、人権救済機関「欧州人権裁判所」まで闘う姿勢を見せている。

(林育立/編集:荘麗玲)
http://mjapan.cna.com.tw/news/apol/202005030006.aspx