中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は28日、香港の「国家安全法」を制定する方針を採択した。

香港の自由を制限すると民主派が主張しているこの措置を巡り、トランプ米大統領は導入をやめるよう求めていた。

採決は賛成2878票、反対1票、棄権6票だった。全人代はこの日閉幕。李克強首相が記者会見を行う。

ポンペオ米国務長官は27日、「香港が中国から高度な自治を維持しているとは断言できない」とする声明を発表。

米国では昨年、香港に高度な自治を認めた「一国二制度」が守られているかどうか政府に毎年検証を求める「香港人権・民主主義法」が成立し、ポンペオ長官の発表は同法に基づいて行われた。

香港は1997年、50年間の高度な自治を保障する一国二制度の下で英国から中国に返還された。同制度を骨抜きにするとみられる国家安全法の制定は、トランプ政権による広範な行動のきっかけとなり得る。

中国高官への制裁に加え、香港の世界的な金融ハブとしての地位を脅かしかねない優遇措置の見直しにトランプ大統領が踏み込む可能性も取り沙汰されている。


2020年5月28日 17:08
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-28/QB15AGDWLU6Q01