ドイツではここのところ、クラスター対策を評価する論調が出てくるようになりました。
きっかけは4月16日にプレプリで公表された日本の研究や、中国等の研究によって、
クラスターに対応することが正しいのではないかという確固たるエビデンスが確立してきたからです。

ドイツ新型コロナ対策チームの中心人物の一人、ウイルス学者のクリスティアン・ドロステン氏 
以下

日本は実はロックダウン対策をとってはいるものの、その中身が他のアジアの多くの国ほど厳しいということはありません。
また、スウェーデンなどのように自己責任だけに頼るでもなく、(スウェーデンとも)対策は異なっています。

長い間、誰も日本が実際にどう対策しているかを正確には理解していませんでした。
日本からの積極的なコミュニケーションはなかったものの、みな驚いていました。
日本はドイツよりも少し人口が多く、都市部に人口が集中している国です。そんな日本では他の国では見られないようなことが起きました。

「我々の対策は、クラスター発見のために絞って検査を行います。クラスターが発見されればそれ以上検査は行わず、
クラスターの構成員を感染者と断定し、直ちに隔離します」これが日本の戦略の核心であり、成功していると見ています。

Hennig氏
日本の死者数は非常に少ないですね。

ドロステン氏
はい。発生率も、完全にロックダウンした国のような激減ではありませんが、ゆっくりですが確実に下がっている。
(他国より)遅いながらも恒常的に少しずつ低下しています。日本がなぜ、どのような対策をとってきたかが明らかになってきました。
他方で、他の多くの国では、日本と同じようなことは全く不可能だったのではないかと思います。

日本の例では、本当に(冗談ではなく)権限が与えられた個人が、データから得られる知見(エビデンス)を持たないまま、
自身の経験と見解(勘)で対策を行ったに違いありません。SARS-1の時のように、です。明らかに個人がそうしたのです。
うまくいきましたが、うまくいかなかったかもしれませんでした。

十分なデータがあったとは言えません。日本で早い段階から自身で全体像を観察、おそらく早い段階から自分なりに観察しており、
それに頼っていたのではないかと思います。大胆であり(勇気があり)うまくいったように見えます。

近い将来のためにも、絶対にこれ(日本の経験から得られた知見)を手本にしなければなりません。
何度も何度も繰り返していますが、これから夏に突入していくわけですから(特に手本にする必要があります)
私たちが思うに今本当に試してみるべきは、クラスターの早期発見とクラスター構成員の即座の隔離です。

http://iup.2ch-library.com/i/i020717644615874411264.jpg
2020/5/29
https://note.com/umwerlin/n/nf4bcd22c1217

元祖SARSほどは少数のスーパースプレッダーに依存しておらず、よりインフルエンザに近いのではないかと報告している。
総じて、元祖SARS並みか、またはそれとインフルエンザの中間程度という推定となっている。
これは日本の対策チーム(専門家会議の公式発表や高山先生)が2月に出した見解と同様である。
日本の専門家会議が当初出したデータが、世界中の様々な研究グループで追認されているというのが現状であろう。

クラスター対策を理解している方にはおなじみと思うが、少数のスーパースプレッダーがいることが分かったとして、
それを事前に見つけることができれば感染を封じ込めることができるが、その条件の特定は容易ではない。
この条件の特定と予防策へのフィードバックこそがクラスター対策の鍵であり、単なる接触追跡と異なるところである。

日本の専門家会議・クラスター対策班が依拠してきたデータは、世界中で再現され、
特にドイツチームがクラスター対策の重要性に気づきつつある、という状況である。
もちろん彼らは、日本が対策を先取りしていたということを理解している。
日本のクラスター対策が単なる接触者追跡以上である理由、すなわち予防策へのフィードバックについても氏は理解している。

早期に被害を受けたが、流行を抑えている日本では、COVID-19の戦略をクラスターを避けることに重点を置いて構築し、
閉鎖空間や混雑した状況を避けるように市民に助言している

>>2に続く