俺の知人の知人の父親が強制連行された徴用工だったんです。

その人は悲しそうな目で、取材した私にこう言いました。

「ハル吉や、日本兵を恨んじゃいけないよ。
罪を憎んで人を憎まずっていう諺が日本にはあるんだよ。ここは韓国だけど。
私は徴用工だったけど、そのおかげでお前を立派に育て上げることができたんだよ。」と・・・

俺は人目も憚らずに男泣きに泣いた。
父さんを抱きしめて大声で泣いてしまった。
父さんは思ったより小さかったよ・・・
そして父さんはその言葉を最後に俺の胸の中で亡くなった・・・
「か、父さーーーーんっ・・・・」

今年の夏は父さんの初盆になります。
父さんが私によく作ってくれたカブトガニ鍋を墓前にお供えしようと思います。

強制連行された徴用工はいるんです。