なぜ、H2Aを選んだのか?
それは、「惑星探査」という点が大きい

通常の衛星では、発射の遅れは付き物だ
だが火星探査は、公転軌道の関係から、
打ち上げ可能なのは、およそ2年ごとに、2週間の間だけとなる
そのタイミングを逃せば、また2年待つ必要がある
だからUAE・中国・米国の衛星は、この2週間の期間中(ローンチ・ウインドウと呼ぶ)に
一斉に打ち上げているのだ

日本のロケットは、この「オンタイムで、必ず予定期間中に打ち上げる」ことが得意だ
一度決めた打ち上げ期間を厳守する確率が、他国のロケットより高いという実績を積み上げてきた
UAE建国50周年を祝うこの火星探査、UAEとしては、絶対に打ち上げ延期は困る
もちろん打ち上げ失敗など論外だ
少々高価でも、失敗せず、期日通りに打ち上げるロケットを世界中から探した
そして、H2Aに辿り着いた

なおH2Aはこの打ち上げで、36回連続打ち上げ成功、
派生のH2Bを併せれば、45回連続成功中である
実に17年間、失敗知らずだ

>>699
>なぜエキスパンダーサイクルで大型エンジンを開発しようなんて思ったのか

・原理上、まず爆発することは無い(不具合が生じると、ゆっくりと止まる)
・エンジン型式の中で構造が最も単純で、部品点数もコストも大幅に削減
・LE-5A/Bの経験から、この形式での設計にノウハウがある
・整備しやすく、故障しにくいので、今後のトレンドである有人や再利用に向いている
・長年の研究の結果、「エキスパンダー方式で高推力は困難」という通説を克服できた(LE-9は推力150トン)