2020年8月2日、韓国・朝鮮日報によると、北朝鮮が最近、首都・平壌(ピョンヤン)で犬を飼う行為を「資本主義の要素」と規定し、厳しく取り締まっていることが分かった。記事は、「対北朝鮮制裁と新型コロナ禍で最悪の経済難に直面している北朝鮮が、内部で大々的な綱紀粛正に乗り出したとの見方が出ている」と伝えている。

北朝鮮の内部事情に詳しい消息筋によると、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は7月、国難の中、平壌市民の間で犬が飼われていることを「ブルジョア思想に染まった行為、資本主義要素の一部」とし、犬の飼育を禁止する「愛玩犬禁止令」を出したという。この消息筋は「金委員長の一言で、最近平壌では犬を育てている家が全て把握され、飼い主に犬を差し出させるか、強制的に取り上げられ処分される。一部は動物園に送られたり、犬肉の鍋料理店に売られ食べられたりしている」と明かした。

このニュースに、韓国のネットユーザーからは、「犬も国を選んで生まれて来ないとならなくなるなあ」「北朝鮮で飼われている犬はかわいそう」「金委員長は犬が嫌い?」「北朝鮮は動物さえも生きられない国?」「金委員長の発する一言に、住民たちはおびえているようだ」「動物保護団体は何をしている?糾弾すべきだ」などといった声が上がっている。

対北朝鮮制裁と新型コロナによってもたらされた経済の悪化で、住民の不満が高まっている中で出てきた今回の犬の飼育禁止命令に、飼い主ら平壌市民の間では金委員長に対する不満が高まっているという。消息筋は「手当たり次第に飼い犬を処分するやり方に、平壌の飼い主たちは泣きながら金委員長の悪口を言っている。動物にも感情があるが金正恩には感情もないとの批判が出ている」と伝えた。

北朝鮮では1980年代までは犬を飼うことは「朽ち果てた資本主義文化」として否定されてきたが、その後、富裕層を中心に飼われるようになったという。(翻訳・編集/関)

2020年08月04日 07時50分 Record China
https://www.recordchina.co.jp/b771970-s0-c30-d0155.html