【北京=高橋哲史】中国外務省の趙立堅副報道局長は10日の記者会見で、トランプ米政権が香港政府トップらに制裁を科したことへの対抗措置として、対中強硬派の代表格として知られる米共和党のマルコ・ルビオ、テッド・クルーズ両上院議員ら11人を制裁対象にしたと発表した。

対象となったのは米上院議員5人、下院議員1人のほか、国際人権団体幹部など。趙氏は「米国は香港に手を出し、中国の内政に乱暴に干渉した」と制裁理由を説明した。具体的な制裁の内容は明らかにしていない。

トランプ米政権は7日、香港への自治侵害などを理由に香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官や、中国政府で香港政策を統括する夏宝竜・香港マカオ事務弁公室主任ら11人に制裁を科すと発表した。米国内の資産を凍結し、米国人との取引をできなくする内容だ。

米中は中国の新疆ウイグル自治区を巡っても、制裁合戦を繰り広げている。トランプ米政権は7月、同自治区トップの陳全国・共産党委員会書記ら4人と1団体に制裁を科した。これに対し中国側はルビオ、クルーズ両氏を含む4人の米国人を制裁対象にすると発表している。


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