昨年9月、東京のAPEC(アジア太平洋経済協力)エネルギー研究センターに先任研究員として派遣された韓国産業通商資源部(省に相当)のムン・ジュンソン書記官は、即座に日本の素材・部品・装備関連の企業分析に着手した。

当時は安倍晋三内閣の対韓輸出規制により、素材・部品・装備への関心が高まっていたが、関連企業に関する資料が不足している状況だった。

まず、日本の経済産業省、中小企業庁、政策投資銀行が選んだ各分野の優良企業460社の資料を集めた。その後、それらの企業を1年近く分析し、今月10日に『ポスト韓日経済戦争』と題する書籍を出版した。

ムン研究員は「日本経済のベースとなる素材・部品・装備の関連企業について洗いざらい調べてみようと思い、各企業の社史や現在の動向、企業トップ、関連協会の動きを把握することに注力した」と述べた。

ムン研究員は、日本が地球から数十億キロ離れた惑星を探査して帰還する探査機「はやぶさ」の運用に成功している背景として、日本の素材・部品・装備を挙げた。

マイナス約100度の中で時速140キロのブリザードが吹き荒れる極寒の南極探検(南極観測)で、日本が抜きんでているのも、素材・部品・装備のおかげだと分析した。

日本の素材・部品・装備から学ぶべき教訓として、差別化・柔軟性・顧客管理など11項目を挙げた。

ムン研究員が著書の中で出した結論は、日本は超えられない壁ではないということだ。

「日本の素材・部品・装備は依然として世界最高水準だが、力動性がやや低下し、国内市場に埋もれている」「匠の精神と蓄積の時間も重要だが、第4次産業革命の時代にもっと必要なものは、変化に対する迅速な対応」と述べた。

「日本の輸出規制が触発した危機の時代にしっかり対応すれば、追い抜くことも可能」というわけだ。

大学で人文学を専攻したムン研究員は、産業部に勤務し始めると日本産業を担当した。ムン研究員は「現在の韓国の状況では、日本なしにはグローバルネットワークでの産業の発展を論じるのは難しい」として「日本をよく知ってこそ日本に勝てるという『知日克日』の姿勢が必要だ」と話した。


2020/08/13 11:30/朝鮮日報日本語版
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