中国のポータルサイト・百度に12日、「日本は世界で最も信用を重んじる国だ」とする記事が掲載された。

 記事は、信頼を重んじて信用を守るという人としての基本ルールが中国ではすでに30年ほど提唱され続けていると紹介。それは信頼や信用が社会でなかなか確立できていないことの裏返しであるとしたうえで「誠意や信頼という点では、隣国の日本が参考になる」と伝えた。

 そして、信用社会の日本の街では財布をズボンのポケットなどみんなが見える場所に入れて歩く人を多く見かけるものの、だからといってスリを働くような人はまずいないとした。また、仮にズボンからポロリと財布が落ちたとしても、他の人が拾って警察に届けることが「当たり前」になっていると伝え「彼らの国では落としたものをネコババしなかったとしても賞賛を受けることはない。逆に、拾って自分のモノにしてしまった場合にニュースになるのだ」と説明している。

 さらに、食品の安全確保においても信用や信頼が重んじられており、各種衛生基準が厳しく設けられるとともに、多くの飲食店がオープンキッチン方式を採用して客に衛生管理の状態を見せ、安心して食べてもらうよう配慮していると紹介。食べ物もそれぞれに原産地が表記されており、生産者の名前さえ記されているケースもあるとしたほか、商店で販売されている食品の中から品質保持期限が切れたものを見つけ出すのが非常に困難であると伝えた。

 一方で、日本で仮に他人の信用や信頼を傷つけるような行為をしてしまった場合、法的なペナルティを科される以前に、まず社会大衆から大いに批判を浴びることになり、信用を失うことで個人のキャリアがそこでストップしてしまうことさえあるのだとしている。

 記事は、日本人が何らかの行動をする前にまず他人の立場になって考え、他人に迷惑が掛からない、他人の利益を損ねないことを保証したうえで行動に出ると紹介。こういった責任感は知り合いどうしだけでなく、見知らぬ人どうしの間でも存在するのだと伝えた。そして、「誠意と信頼は立身の根本。しかし、今の中国は信用の危機に直面し続けている」とし、今後中国で「夜に戸締りをしなくてもいいほど、相互信頼が確立されることを願う」と結んだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

サーチナ 2020-08-14 16:12
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