韓国では、新型コロナウイルスの新規感染者数が8月に入って1日あたり数十人にとどまっている。抑え込みに成功しつつあるだけに、これ以上の感染拡大を防ごうと水際対策に懸命で、現在も入国者に2週間の隔離生活を義務付けている。

 私は語学留学のため、6月4日に仁川国際空港から韓国に入り、隔離生活を経験した。日韓間の人の往来は激減し、韓国観光公社によると6月に訪韓した日本人はわずか498人だった。ただ、入国から2カ月が過ぎた今も「隔離施設を予約する際はどこに連絡したのか」「韓国の携帯番号は必須か」といった問い合わせを相次いで受ける。それだけ日本で韓国への関心が高いということなのだろう。入国と隔離生活の情報が一元化されているサイトがなく、私も入国する際とても不安だった。細かい対応は地域によって異なる部分もあるが、参考になればと自分の経験をリポートする。

 ◇隔離施設は事前予約が必要

 隔離場所は自宅でもよい。ただ、私のように多くの外国人は韓国に自宅はなく、指定された施設やホテルで過ごさなければならない。しかも、入国前に滞在先の施設を予約する必要がある。

 私の下宿先はワンルームではなく、シェアハウスのような形態で共有部分がある。期間中の2週間は、原則として1人で生活しなければならないため、下宿先は隔離場所として適さないと当局に判断された。このため、海外入国者専用のホテルで隔離生活を送ることになった。

 最近受ける問い合わせの中で、ダントツに多いのが「施設を予約するのに、まずどこに連絡したか?」という質問だ。私の場合は、韓国に住む知人が下宿先の地域を管轄する保健所に電話を入れて予約してくれた。

 ただ、隔離に関する細かい対応は地域ごとに異なる。韓国を訪れる予定がある人は、入国前に地域の保健所に直接問い合わせておくと安心だ。

(続く)

【外信部記者・日下部元美】

毎日新聞 8/20(木) 10:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/9fa7079a6ada01517ce710fbbd0920e265b874c9

隔離施設で配られた昼食=ソウル市で2020年6月7日、日下部元美撮影
https://i.imgur.com/qDx4e5r.jpg