日本の首相に「第2の安倍」就任の影響は 
強制動員の賠償などには強硬姿勢も 
安倍前首相の歴史修正主義とは距離 
両国の緊張状態は続けない可能性も 
韓中日会談が開かれれば両国首脳会談で 
変化の契機を見いだせるか注目

 菅義偉氏が16日、日本の第99代首相に就任した。大統領府は「対話の準備はできている。日本の呼応を期待する」とし、安倍晋三前首相在任時に悪化した韓日関係を改善するとの強い意志を示した。

 菅首相は同日、日本の国会で行われた首相指名選挙で、立憲民主党の枝野幸男代表を大差で制した。菅首相は新内閣の閣僚らとともに天皇と会見して任命状を受け取り、夜9時ごろに首相官邸で記者会見を開き、内閣の正式発足を宣言した。

 この日公開された閣僚名簿を見ると「安倍内閣の継承」を掲げる菅政権の色が明瞭に表れている。菅首相とともに国政を率いる官房長官には、安倍前首相の最側近とされる加藤勝信氏、防衛相には安倍首相の実弟の岸信夫氏が任命された。また、安倍政権で7年8カ月にわたって在任してきた麻生太郎副首相兼財務相はもとより、茂木敏充外相も留任した。20人の閣僚のうち8人(40%、安倍内閣での閣僚経験者は15人)が留任している。

 菅首相は「安倍内閣の継承」を前面に押し立てているだけに、韓日関係も短期的には大きな変化は期待しにくい状況だ。菅首相は官房長官時代に、両国間の最大の懸案である強制動員被害者に対する賠償問題について「韓国が責任を持って解決策を提示すべき」と述べてきており、5日の産経新聞とのインタビューでも「日韓請求権協定は日韓関係の基本」との認識を明らかにしている。しかし「自虐史観の克服」など、安倍前首相が執着した歴史修正主義基調とは距離を置いており、歴史問題に対する不適切な言行で韓日関係を緊張状態に追い込むことはないとみられる。菅首相は2013年12月の安倍首相の靖国神社参拝に最後まで反対したが、意志の貫徹に失敗すると、当時のイ・ビョンギ駐日韓国大使に自ら電話してこの事実を予め伝えてもいる。

 今後の韓日関係の流れを決める変数は、今年韓国で開かれる予定の韓中日首脳会談の「年内開催」が実現するかどうかだ。これに関し大統領府は先月22日、楊潔チ・中国共産党外交担当政治局員の訪韓結果を説明する中で、「(韓中)双方は、韓中日首脳会談の年内開催の必要性についても協議した」と明らかにしている。日本がこれに同意するとともに、新型コロナが安定して管理されれば、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は自然な流れで菅首相との初対面となる首脳会談の開催が可能となる。会談が開かれれば、両国首脳は昨年12月に確認した通り、「対話を通じて早期に問題を解決していく」との基本的立場を再確認するものとみられる。

 文大統領は、午後に就任を祝う書簡を送り、関係改善に対する強い意志を示した。大統領府のカン・ミンソク報道官は「文大統領は本日午後、菅新首相に書簡を送って就任をお祝いし、在任期間中に韓日関係をさらに発展させるため、共に努力していこうとの意思を伝えた。基本的価値と戦略的利益を共有するだけでなく、地理的・文化的に最も近い友人である日本の政府とは、いつでもテーブルについて対話し、コミュニケーションを取る準備ができており、日本側の積極的な呼応を期待している」と述べた。

 文大統領はまた、健康問題で退いた安倍前首相にも書簡を送って快癒を祈り、安倍前首相も感謝の意を込めた返信を送ってきた。

キル・ユンヒョン、ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

ハンギョレ新聞 9/17(木) 7:18
https://news.yahoo.co.jp/articles/28666c63592fc3d451eb381165efe7e7003b71ad