「ウォーターゲート事件」のスクープ記者で、このほど新刊『RAGE(怒り)』を出版したボブ・ウッドワード氏は14日(現地時間)、
米公共ラジオNPRとのインタビューで、ジェームズ・マティス米国防長官=当時=が2017年、
北朝鮮に核を使用しなければならない可能性を念頭に置いて悩んでいたと明らかにした。

NPRの司会者メアリー・ルイーズ・ケリー記者が「彼(マティス氏)は自分が北朝鮮に対する核攻撃を命令しなければならないのだろうかと懸念した」と言うと、
ウッドワード氏は「その通りだ」と言った。ウッドワード氏はまた、「北朝鮮はおそらく20−30個(a couple of dozen)の核兵器をうまく隠し、隠ぺいして持っている」とも語った。

ウッドワード氏はインタビューで、「私は(著書で)マティスが『誰も数百万人の人を焼却(incinerate)する権利はない』と言ったと引用したが、
彼は(2017年当時)それに直面しなければならなかった」と語った。ウッドワード氏は著書『RAGE』で、「マティス氏は北朝鮮の脅威のため、
大統領に核兵器の使用を勧めなければならない状況が来た時に備えて、自分自身に『そうしなければならなくなったたら、どうするだろうか? 
お前は数百万人を焼却することになるだろう』と苦悩した」と書いた。

また、「(核兵器)使用は正気のさたではないと彼(マティス氏)は分かっていたが、
米国を守るために、考えられないことを本当に考えなければならなかった」とも書いた。

ウッドワード氏はトランプ大統領に18回インタビューした後、この本を出版した。

ウッドワード氏はさらに、「彼(マティス氏)は、トランプ大統領は北朝鮮に対し先制攻撃をするだろうとは思っていなかったが、そうした戦争のための複数の計画は棚の上にあった。
(米ネブラスカ州)オマハの戦略司令部は北朝鮮政権交代のため作戦計画5027−80個の核兵器の使用を含む可能性のある、攻撃に対する米国の対応を注意深く検討し、研究した」と書いた。

2017年は北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射などで米朝間の緊張がピークに達した時期だ。
米国は2017年9月に戦略爆撃機B-1Bランサーなどを北方限界線(NLL)を越えて飛ばし、北朝鮮側の公海上を脅かす飛行をした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e3cf8a6ce1bbd96c3d458482584df9969955924f?page=1