韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は24日午後5時15分、青瓦台(韓国大統領府)報道官のブリーフィングを通して、北朝鮮による韓国国民射殺事件との関連で「いかなる理由であっても容認できない。北朝鮮当局は責任ある答弁と措置を取るべき」とコメントした。その上で「韓国軍は警戒態勢をより強化し、韓国国民の生命と安全を保護するための万全の態勢を備えよ」と指示した。

 今月22日に文大統領が行方不明情報について書面で最初の報告を受けてから47時間、翌日に銃撃関連の対面報告を受けてから33時間が経過していた。文大統領は24日、盧英敏(ノ・ヨンミン)秘書室長と徐薫(ソ・フン)国家安保室長から国家安全保障会議(NSC)常任委員会議の結果などについて報告を受け、このように指示した。

 文大統領は24日午前中に、公務員が射殺されて遺体が毀損(きそん)されたという韓国軍の最終報告を受け取った。しかし文大統領は、大統領自身が主催するNSC全体会議ではなく徐薫安保室長が主催する「NSC常任委会議」の招集を指示した。

 その後、文大統領は京畿道金浦の民間オンライン公演場「キャンプ・ワン」でデジタル・ニューディール文化コンテンツ産業戦略報告会を主催し、「韓国のコンテンツ・ルネサンス時代」を宣言した。この日の報告会は、文大統領の五つ目の「韓国版ニューディール」現場イベントだった。文大統領は、アイドルグループ防弾少年団のビルボード2週連続1位、映画『パラサイト 半地下の家族』の映画祭受賞に言及しつつ「世界最高、世界初の道を開いている文化芸術者、創作者の皆さんが本当に誇らしい」と語った。この行事では、混声5人組アカペラグループ「Maytree」が3次元対面立体音響を適用した音声で歌う公演もあった。

 文大統領の北朝鮮糾弾のレベルは、韓国国内における他の政治的事案に対する厳正対処の基調とも対比された。文大統領は22日、開天節(10月3日)の集会に関連して「韓国社会をまたも危険にさらすのであれば、いかなる寛容も期待できないだろう」「共同体の安寧を危うくし隣人の暮らしを崩壊させる反社会的犯罪を、『集会の自由』や『表現の自由』という名で擁護してはならない」として強硬なメッセージをぶちまけた。最近起きた医療界のストとの関連でも「軍人の戦場離脱」になぞらえつつ「医療界の集団行動が国民に、より大きな不安と苦痛を与えている」と主張した。

安俊勇(アン・ジュンヨン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2020/09/25 10:46
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/09/25/2020092580031.html