0001右大臣・大ちゃん之弼 ★ 転載あかん
2020/10/14(水) 13:56:28.16ID:CAP_USERフィリピンのドゥテルテ大統領が財閥企業に攻撃の矛先を向けている。財閥が経営を支配する水道、航空会社に続き、最近は通信会社にサービスを改善しなければ「接収する」と圧力をかけた。持ち前の反エリート主義の表れと同時に、大統領職の後継候補を利するよう財閥を懐柔しておきたい思惑も透ける。
「ちょっと言わせてほしい」。ドゥテルテ氏は7月の施政方針演説の終盤で、おもむろに財閥系通信大手2社を名指しし「事業を何年やっているんだ。フィリピン人の忍耐は限界に達している」とサービスの悪さに怒りをぶちまけた。12月までの改善を求め、達成できなければ「事業を接収する」と警告した。
フィリピンの通信環境は悪く、携帯電話での通話やネット接続が途切れることはしばしば。料金は高止まりし、事務手続きミスからか支払い済みなのに突然サービスを停止されることもある。
ドゥテルテ氏は財閥系2社が通信市場を寡占しているため、競争がなくサービスの質が向上しないとの不満をかねて抱いてきた。ソット上院議長によると、通信会社批判は演説の原稿になく、即興だった。
ドゥテルテ氏はこれまでも財閥企業にかみついてきた。昨年、政府と財閥アヤラ系の水道会社との契約で、政府が料金設定に介入できないことを問題視。水道事業を国有化すると脅し、契約が政府に有利になるよう見直す作業に着手した。
2017年には財閥LTグループ系のフィリピン航空が長年、空港ターミナルの利用料を未納だったことに目を付け「猶予を10日間やる。それまでに支払わなければ閉鎖だ」と迫った。同社は当局と調整を急ぎ、1カ月余りで60億ペソ(約130億円)を完済した。
かつて長期独裁体制を構築したマルコス政権下では、国営企業や側近の企業家が主要産業を支配したが、1986年に政権が崩壊すると採算が悪化。政府は電力や水道などの国営企業を財閥に売却し、民営化が進んだ。
財閥はこうした基幹産業を押さえ、政財界に強い影響力を持つ。だがドゥテルテ氏は旧来型のエリート層や既得権益を否定することで支持を集めてきた。富と成功の象徴である財閥企業をたたけば「強い指導者」を演出でき、求心力は高まる。
2022年の大統領選も意識しているとみられる。下院議員の一人は「財閥の資金力は途方もなく、新型コロナウイルス対策では協力が不可欠。後継候補のため一部の財閥を脅したりなだめたりして取り込むつもりだろう」と解説した。(マニラ 共同)
【用語解説】フィリピンの財閥 スペイン系と華僑・華人系を中心に十数の財閥がある。売上高トップのサンミゲルはビール事業や大規模インフラ開発で台頭。アヤラはマニラ首都圏マカティ市をはじめ、各地で都市開発を手掛けて成長した。政治との距離は一様ではなく、LTグループのルシオ・タン氏はマルコス元大統領と親密な関係を築いたが、ロペス財閥は対立した。(マニラ 共同)
サンケイビズ 2020.10.13 06:15
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/201013/mcb2010130500003-n1.htm
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8月、ダバオで会合に出席するドゥテルテ大統領(大統領府提供、AP)
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ドゥテルテ大統領から圧力を受けた財閥系通信大手の本社=マニラ(共同)